第33の皿 食卓の句読点、Q漬け

「箸休め」と呼ばれる料理がある。
食べ応えのある主役クラスのおかずを引き立たせる役割の惣菜のことである。
コース料理なら「お口直し」に相当するものだろうか。
家庭料理だと一皿ずつ出て来るわけではないから、
最初から食卓の片隅にひっそりと置かれている。
そこで、メインおかずの合間にちょっとつまんで、
味覚のリフレッシュを果たすというわけだ。

 

箸休めの代表選手は、やはり漬け物であろう。
食べる際に出る「ポリポリ」という音も、
サイドディッシュにふさわしい重みのなさだ。
なくても困らないが、あったらうれしい。
なくても成立するが、あった方が望ましい。
まさに「食卓の句読点」、
いや、「テンマル」のテンだから、読点と言うべきか。

 

さて今回は、市販でおなじみの「きゅうりのしょうゆ漬け」を
手作りしてみるという自家製実験である。
商品のパッケージで紹介されている原材料や調理法を、
家庭料理に置き換えてアレンジするのだ。
試行錯誤の末、何とかレシピが確定したこの料理を「Q漬け」と名付けた。
こう書くと、元ネタが推測できるかもしれないが、どうかスルーしていただきたい。

 

Q漬け

 

きゅうり 3本(7mm幅にやや斜め切り)
しょうが 20g(針状に刻む)

 

しょうゆ 大さじ2
みりん 大さじ1
酒 大さじ1
すし酢 大さじ2
レモン果汁 小さじ1
赤唐辛子 1/2本(みじん切り)
白ごま 大さじ2

 

  1. 刻んだきゅうりに塩(分量外)を振り、10分後に搾って水気を切る。
  2. フライパンに調味料と針しょうがを入れ、煮立たせて火を止める。
  3. 1を入れて弱火に掛け、時々混ぜながら10分ほど煮る。
  4. 保存容器に移し、冷蔵庫で寝かせる。

 

きゅうりに水分が残ると味が薄まり、また傷みやすくもなるので、煮る前に全力で搾る。
そうすると調味料が入りやすくなり、しっかりと味が乗るようだ。

 

ちなみに、このQ漬けは、あまり箸休めにはならない。
ひとたび食べ出すと、なかなか箸が休まらないのである。