第100の皿 カウンターの葛藤、貝割れ菜のおひたし

たまには、皿が回っていないお寿司屋さんに行きたい。
皿の代わりに会計時に目が回るというオチがあったりもするのだが、
季節のものをおまかせで握ってもらう時間は、
あらゆるジャンルの外食の中でも屈指の贅沢であろう。

 

おまかせとなると、握りたてをいただけるカウンターがベストだが、
あれこれと話し掛けられるのが苦手なので、どうにも落ち着かない。
幸い、職人さんはそういう客を見極める目があるらしく、
過剰に構うこともなく、適度な距離感で接してくれることが多いのではあるが。

 

いっそのこと「サビ抜きで」のお願いのように、
「トーク抜きで」と最初に申告するシステムがあればと思う。
そんな要請に当たり前のように
「はい、トーク抜き一丁!」と応じてくれる店の出現を夢見ている。

 

貝割れ菜のおひたし

 

貝割れ菜 4パック以上

白だし 大さじ1
水 100cc

 

1. ミニフライパンで、水と調味料をひと煮立ちさせる。

2. 火を止めて貝割れ菜を入れ、さっと煮て、冷ます。

 

 

紹介したレシピは、あるお寿司屋さんの「突き出し」を、
自己流で再構築したものである。
ものすごく安価な食材で、料亭の一品のような、家庭料理らしからぬ味に仕上がる。
コラム100皿到達を記念した、とっておきのメニューである。