• カフェの日々

    410円、いやキリが悪いので400円でいいです。
    400円あったら何をしますか。
    牛丼も食べられるし、ハンバーガーもいける、
    ジャンプコミックも買えるし、新宿から京王線に乗れば八王子まで行けておつりもきます。

     

    煙草の値段ですよ、410円。今さらですが、高いですよ。
    別に喫煙者のみなさまをdisっているわけではありません。
    自分もヘビースモーカーだったことがあるし、
    朝まで呑んだ翌昼のバッグの中に、
    吸いかけのマイルドセブンスーパーライトの潰れた箱がいくつも入っていたことも
    深酒をした時のよくあるエピソードでした。

     

    その昔、風呂屋に行くか、煙草を買うか、という二択を迫られた時代がありました。
    マイルドセブンが1箱200円で、銭湯の入浴料金が220円ぐらいだったんです。
    今はメシ食うか、煙草吸うか、の選択です。Smoke or Die、世知辛いといえば世知辛い。

     

    煙草は吸うものではなく、喫む(のむ)ものでした。
    死んだばーちゃんが「あんまり煙草を喫んじゃいかんよ」、と
    じーちゃんに言っていたのを覚えています。しかしそんなばーちゃんも煙草のみでした。
    昭和のおばあさんは今のおばあさんよりももっと日常的に喫煙していた気がします。
    喫茶店、で、喫煙、していたのです。

     

    煙草をやめて、スマホを持ったら、頻繁にカフェに行くようになりました。
    それこそ400円あればゆっくり座れて、お茶が飲める。
    何を今さら、と思われるかもしれませんが、
    喫茶店でスポーツ新聞を読むことはあっても、
    Wi-Fiスポットを探してカフェに行く習慣はありませんでした。
    しかしwebを見たり、SNSでつぶやいたりするために、
    ちょこっと座れるカフェの便利さは認めざるを得ない。
    タウンページを持った石原良純に尋ねるまでもなく、街中のいたるところにカフェとコンビニあり、です。

     

    ネットカフェ、メイドカフェ、猫カフェなんて業態はすでに市民権を得ているし、
    先日はテレビでミシンカフェなる、
    お茶を飲みながら裁縫ができるお店が紹介されていました。
    そのうち大工カフェとか、書道カフェとか、
    家ではやりにくい面倒なことをしながらお茶を飲む店、
    ができたりするんでしょうか。
    もういっそこれからは昭和からの逆輸入で、
    名曲カフェ、ジャズカフェ、歌声カフェ、同伴カフェ、
    なんてものがどんどんできればいいのに。
    そして何よりも“喫煙カフェ”ができればいいと思います。
    煙草のみと一緒にお茶しようとすると、もうね、どこも全く入れない。
    「NO SMOKING」の店ばかり。
    あっても店の片隅のほんの申し訳程度の喫煙スペースに座らされて
    ひどく窮屈な思いをすることになる。
    そこまで迫害されなくても、と思いますけどね。元煙草のみとしては。
    だからこそあえての“喫煙カフェ”、流行りませんかね。

     

    あれから1年たちました。
    携帯がつながらなかった時でも役に立ったのがツイッターだった、とも聞きます。
    カフェでモバイル、穏やかな日々はまだ遠い明日でしょうか。

  • メガネの日々

    もう口にするのも飽きましたが…、寒いです。
    いつもの年より寒いでしょう、2012年。
    そんなことないですか。年のせいですか。代謝が悪くなってるからですか。
    しかしヒート何やら、ハイテク何やらの新素材のおかげで、
    電車の中や、会社の中は、着こんでいると汗をかくぐらいの時も。
    エコだの節電だのはどうなっているのか、とも思えます。

     

    「うなぎと梅干し」に代表される、食べ物の食べ合わせがあるように、
    着る物にも着合わせがあります。
    化学繊維同士、相性の悪いコーディネートをしていると、
    一日中パチパチと衣類がまとわりついて不快なことこの上ない。
    連日の注意報が出ていた都内で、
    ただでさえ潤いの失われがちな乾燥人間の自分としては、
    エレベーターの行き先表示を押してはパチッ、
    シュレッダーをかけに行ってはピリッ、
    デザイナーからカンプを受け取ってはギエッ。
    至るところにトラップあり、わかってはいるのに日に何度も敗北感を味わっています。
    静電気の恐怖、髪もパサパサだし、肌は言わずもがな。
    いっそ握っているだけでスマホの充電でもできるくらい蓄電されていれば
    我慢もできるのに、とも思います。

     

    連続していた乾燥注意報を解除したのは、初雪でした。
    かさかさカラカラから、今度はべちゃべちゃツルツルです。
    「湿気はいいけど、凍結はねー」といずれにせよ文句ばっかりです。
    豪雪地帯から見れば、都内の雪なんて、吉幾三とレミオロメンぐらいの差があります。
    どんな差かはわかりませんが。
    申し訳ないぐらい大騒ぎしているのはわかっています。

     

    うっすらと積もった雪道をへっぴり腰で歩き、ようやく屋内や地下道にもぐり込むと、
    今度はメガネが曇ります。
    メガネ男子とか、メガネ萌えとか、そこそこ盛り上がっていますが、
    メガネ族は、常に曇りと闘っています。キレイになるメガネ拭きを探しています。
    あとかけたままテレビ見ながら寝落ちして、フレームが曲がってしまうこと。
    たまの外出にコンタクトを入れたら、慣れなくて次の日充血とか、
    自分の顔を久しぶりにコンタクト越しに見た時の違和感とか。
    そんなものとも闘っています。

     

    ほぼ6年ぶりぐらいにメガネを新調しました。
    年季が入り過ぎてぼろぼろのメガネでしたが、逆に愛着もあり満足していました。
    しかし度数も合わないような気もしてきたし、ものは試し、と
    韓流タレントがCMをしているメガネ屋さんで新しいのを作りました。
    初めて新しいメガネをかけて出社しようとした月曜日、
    貧乏性で「やっぱり前のメガネかけて行こう」とケースから取り出したら、
    なぜかフレームが割れて、レンズがはずれていました。
    もうかけられなくなっていたんです。
    検眼しても度数も同じだった新しいメガネに拗ねたんでしょうか。
    それとも使命を全うしたと自ら去っていったんでしょうか。
    どんなに乱暴に扱っても使用不可能になることなんてなかったのに。
    主人公の身を守って砕け散るRPGのアイテムみたいだ、とちょっとした感慨が。
    個人的に激動だった、この6年ぐらいをいっしょに見てきたわけですから。

     

    新しいメガネは何を見せてくれるんでしょうか。
    気持ちが曇らないような、少しは穏やかな日々を希望します。
    ちなみに、メガネ拭きは小林製薬の「メガネクリーナ ふきふき」がお薦めです。

  • 免許の日々

    明けました、2012年。
    2000年代に入ってから干支がちょうどひと回り、イヤー・オブ・ザ・ドラゴンです。
    ミッキー・ロークとジョン・ローンです。
    今年はダイエットに挑戦しまーす、
    なんて呑気なことを言っていられたのも去年の年頭まで。
    おめでとう、というより、がんばろう、という感じでしょうか。
    今年もよろしくお願いします。

     

    正月休みは西の方にある実家で過ごしました。
    帰省するたびに思います、「免許を、とろう。」と。
    大手自動車メーカーのキャンペーンスローガンと同じですが、
    そちらは最近の自動車離れが進んでいると言われている若者向けのもののようで。
    大人になったドラえもんやのび太くん、ジャイアンを
    実写化して展開しているキャンペーンです。
    しかし、最近この手法多い。
    映画やドラマも「あしたのジョー」や「怪物くん」や「妖怪人間ベム」と
    原作ありきのリメイク版が目白押し。
    今の世の中、万人にウケる魅力的な原作を生み出すのは至難の技。
    それをぶっちぎって大成功したのが「家政婦のミタ」ですが、
    そもそもタイトルは市原悦子版のリメイク?オマージュ?リスペクト?
    それにしても松嶋菜々子は持ってる。
    本人の才能なのか、ブレーンがいいのか、結婚しても、子どもを産んでも、
    忘れ去られることもなく、かといってガツガツしている風でもなく、
    なのにたまにドラマに出れば日本中の話題になる。理想的な女優人生。

     

    ともあれ。
    地元の新幹線が止まる最寄駅まで、父が軽自動車で迎えに来てくれます。
    後期高齢者の父が運転する車には、
    あの新しくなったもみじだか四つ葉だかのマークが貼ってありました。
    いい年をして免許のない身では、ちょっと買い物に行くにも年老いた父に頼み、
    郊外の大型ショッピングセンターまで、駅前の銀行まで、とタクシー扱い。
    いや本当にバスの便も悪いし、近所にスーパーはないし、とどうしようもないんです。
    「免許を、とろう。」と思うのです、切実に。

     

    しかし東京に帰ってくれば、仕事の合間に教習所に通うのも大変、
    年齢×一万円ともいう費用も一体どれくらいかかるのか。
    ましてや高校卒業したてのような若者にまじって、
    お母さんクラスの年齢で合宿免許に参加できるはずもなく。
    そもそも東京は交通手段には困らないじゃーん、と結局のほほんとしてしまう。

     

    それでなくても都心の交通網は発達するばかりで、大江戸線や副都心線の駅名なんてうろ覚え。
    そういえば、田町と品川の間にJRの新しい駅ができるとか。40年ぶりだとか。
    駅名はどうなるんでしょう。
    南田町とか北品川とかじゃなくて、
    海とか浜とか浦とかがつく江戸前な感じの名前がいいと思います。
    「家政婦のミタ」だって、ヒットの一因にタイトルの吸引力もあったはず。
    例えば、「承知しました、三田灯」だったら、深夜ドラマみたいで
    あんなに視聴率もあがらなかったと思うんですが。後付けですが。
    名前、って大事です。
    山手線ゲームも覚えなおしです。
    今年もがんばります。
    ちなみに今年はアクセスキャンペーンを実施します。

  • 名前の日々

    震災が起き、なでしこJAPANが世界一になり、菅直人が野田佳彦になり、
    ムーンライダーズが活動停止を発表し、ホークスが日本一になり、
    ジョブスと談志が亡くなった2011年ももう師走です。
    体感ではまだ9月ぐらいに思えます。
    3月11日から数カ月ぐらいがあやふやで、
    体内時計にカウントされてないからかもしれません。

     

    しかし否が応でも年賀状の用意などしなければならない、
    配られた社員名簿が無言のプレッシャーをかけてきます。
    子どもの頃から名簿を読むのが好きです。
    今は個人情報保護法とかなんとかで、
    学校のクラス名簿には住所や電話番号などが書かれていないと聞きます。
    私の小学校の頃の名簿には住所や電話番号はもちろん、
    親の名前や職業まで書いてあったような記憶があります。
    中学・高校は6年間同じ学校に通っていたので、6学年分の大量の個人情報の宝庫でした。
    ひまな時にそれを開いては、顔も知らない先輩の名前とかを見ながら、
    この人はどんな人だろう、この名前は何て読むんだろう、と妄想ばかりしていました。
    それが高じて、余ったノートに勝手に苗字と名前を組み合わせて、
    自分名簿をつくっていました。危ない感じです。
    今でも覚えている見知らぬ先輩や後輩の名前があるほどです。

     

    現在の姓名しか載っていない名簿も別の意味の妄想をかきたてられるかもしれません。
    私には「純」と書いて“ぴゅあ”とは読めないし、「光宙」と書いて“ぴかちゅう”とは読めませんが。
    先生もごくろうさまです。

     

    動物を飼ったこともないし、ましてや子どももいないので、
    “名前をつける”という経験をしたことがありません。
    せいぜいネットのハンドルネームぐらいです。残念です。
    あとはこの先スナックでも開いた時に、
    店の名前を自分でつけられるチャンスが残っているぐらいです。
    長年の個人的な市場調査で分かったことは、
    スナックの名前にはいくつかの傾向があります。
    ①東京限定かもしれませんが、地名とか方言とかを用いた郷土色打ち出し系
    「おたる」、「甲斐」、「しなの」、「なんくるないさ」とか。
    ②多分これが一番多い、女性(おそらくママ)の名前系
    「愛」、「幸子」、「和美」、「みっちゃん」とか。
    ③「来夢来人」に代表される、当て字系
    「亜夢瑠」、「歩恋人」、「美蘭来」、「羅武」とか。
    ④物悲しい自然現象系
    「海鳴り」、「潮騒」、「ムーンライト」、「こな雪」とか。
    ⑤その他
    これらの件に関しては、まだ鋭意調査中です。

     

    スナックの名前はともかく、そろそろこの1年にも漢字ひと文字の名前がつく頃です。
    年末に清水寺で墨痕鮮やかに発表されるのをニュースで見たことがあると思います。
    今年は「停」とか「災」とか「滞」とか、やっぱりそんな文字ばかりが浮かびます。
    「喜」とか「楽」とか「幸」とか、
    素直にそんな文字がイメージできる日々がやってくるといいと思います、心から。

     

    今年もお世話になりました、ってやっぱりあまり実感はないですが。
    この速さはウサギ年だったからでしょうか。
    じゃあ来年はもっと早いのか。干支的には。

  • 果てる日々

    「天国にいちばん近い島」を知ってますか。
    旅行会社のパンフレットのキャッチコピーのようですが、
    森村桂原作の旅行記のタイトルで、80年代には原田知世主演で映画化もされました。
    天国にあーなたーいちばん近いしまー♪と
    彼女が透明感のある声で歌っていた、主題歌のその部分だけは今でも口ずさむことがあります。
    まったく透き通ってはいない、ブレンディスティック色の声ですが。

     

    「東京からいちばん遠い場所」に行ってきました。
    “時間距離”という考え方があります。
    たとえば沖縄なんて日本の南端ではありますが、
    羽田から那覇まで飛行機で飛べば大体2時間半。あっという間です。
    それに比べると新幹線で名古屋まで行って、車に乗り換えて~、
    と飛騨高山まで行く方が時間距離は遠いわけです。

     

    その考え方で、東京からいちばん遠い、
    つまりたどり着くのに時間がかかる場所のひとつ、
    四国最南端の高知県足摺岬に行ってきました。
    しかも室戸岬を経由してのW岬めぐり、その2地点間の移動距離だけでほぼ300㎞です。
    明け方に到着した何もない誰もいないイージュー★ライダーな室戸岬から、
    足摺岬に着いたのは夕陽が沈む前、ただひたすらのドライブでした。
    道中は絶景の太平洋を見過ぎて、目が満腹。
    最後の峠道を走り抜け、たどり着いた足摺岬には
    土産物屋もありバスツアーの観光客もいたことに、
    なぜか安堵したのが少し遅い夏休みの思い出です。

     

    太平洋側、びっくりするほどコンビニがないので、食事や休憩はもっぱら道の駅。
    しかしそこで売っている「○○町のなんとかさんが作った煮物」とか
    「地元産の魚介や野菜をつかったバラ寿司」とかがびっくりするほどうまい。
    並ぶ端から近所の人たちにばんばん売れていて、
    「道の駅=コンビニ」で、それが生活なんだと理解を新たにしました。

     

    ちなみに徳島や高知のコンビニには普通にうどん屋が併設されていたりします。
    ちょっと見たことのない光景です。
    さすが四国、というべきなのでしょうが、
    讃岐うどんの本場・香川県内でなく、徳島や高知のロー○ンです。
    四国=うどん、と刷り込まれてやってきた観光客への気遣いなのでしょうか。
    地方に行って、高速道路でなく、一般道を走っていると、
    まわりの景色に興味がつきません。
    私自身は運転免許を持っていないので、
    助手席できょろきょろと見たことのないスーパーや本屋を探しています。

     

    ここーは地の果てアールジェーリアー♪
    果てとか、端とかに惹かれる崖っぷちな習性があり、
    今のところ心の行きたい場所ベストテン第一位はユーラシア大陸の果ての国、
    ポルトガルのリスボン。
    ちなみに冒頭の「天国にいちばん近い島」はニューカレドニアですが、
    ベストテン圏外です。
    いつか疲れ果ててみたい、最果ての地で。
    しかしそうこうしているうちに今年の果てまであとカレンダー1枚とは。