名前の日々

震災が起き、なでしこJAPANが世界一になり、菅直人が野田佳彦になり、
ムーンライダーズが活動停止を発表し、ホークスが日本一になり、
ジョブスと談志が亡くなった2011年ももう師走です。
体感ではまだ9月ぐらいに思えます。
3月11日から数カ月ぐらいがあやふやで、
体内時計にカウントされてないからかもしれません。

 

しかし否が応でも年賀状の用意などしなければならない、
配られた社員名簿が無言のプレッシャーをかけてきます。
子どもの頃から名簿を読むのが好きです。
今は個人情報保護法とかなんとかで、
学校のクラス名簿には住所や電話番号などが書かれていないと聞きます。
私の小学校の頃の名簿には住所や電話番号はもちろん、
親の名前や職業まで書いてあったような記憶があります。
中学・高校は6年間同じ学校に通っていたので、6学年分の大量の個人情報の宝庫でした。
ひまな時にそれを開いては、顔も知らない先輩の名前とかを見ながら、
この人はどんな人だろう、この名前は何て読むんだろう、と妄想ばかりしていました。
それが高じて、余ったノートに勝手に苗字と名前を組み合わせて、
自分名簿をつくっていました。危ない感じです。
今でも覚えている見知らぬ先輩や後輩の名前があるほどです。

 

現在の姓名しか載っていない名簿も別の意味の妄想をかきたてられるかもしれません。
私には「純」と書いて“ぴゅあ”とは読めないし、「光宙」と書いて“ぴかちゅう”とは読めませんが。
先生もごくろうさまです。

 

動物を飼ったこともないし、ましてや子どももいないので、
“名前をつける”という経験をしたことがありません。
せいぜいネットのハンドルネームぐらいです。残念です。
あとはこの先スナックでも開いた時に、
店の名前を自分でつけられるチャンスが残っているぐらいです。
長年の個人的な市場調査で分かったことは、
スナックの名前にはいくつかの傾向があります。
①東京限定かもしれませんが、地名とか方言とかを用いた郷土色打ち出し系
「おたる」、「甲斐」、「しなの」、「なんくるないさ」とか。
②多分これが一番多い、女性(おそらくママ)の名前系
「愛」、「幸子」、「和美」、「みっちゃん」とか。
③「来夢来人」に代表される、当て字系
「亜夢瑠」、「歩恋人」、「美蘭来」、「羅武」とか。
④物悲しい自然現象系
「海鳴り」、「潮騒」、「ムーンライト」、「こな雪」とか。
⑤その他
これらの件に関しては、まだ鋭意調査中です。

 

スナックの名前はともかく、そろそろこの1年にも漢字ひと文字の名前がつく頃です。
年末に清水寺で墨痕鮮やかに発表されるのをニュースで見たことがあると思います。
今年は「停」とか「災」とか「滞」とか、やっぱりそんな文字ばかりが浮かびます。
「喜」とか「楽」とか「幸」とか、
素直にそんな文字がイメージできる日々がやってくるといいと思います、心から。

 

今年もお世話になりました、ってやっぱりあまり実感はないですが。
この速さはウサギ年だったからでしょうか。
じゃあ来年はもっと早いのか。干支的には。