果てる日々

「天国にいちばん近い島」を知ってますか。
旅行会社のパンフレットのキャッチコピーのようですが、
森村桂原作の旅行記のタイトルで、80年代には原田知世主演で映画化もされました。
天国にあーなたーいちばん近いしまー♪と
彼女が透明感のある声で歌っていた、主題歌のその部分だけは今でも口ずさむことがあります。
まったく透き通ってはいない、ブレンディスティック色の声ですが。

 

「東京からいちばん遠い場所」に行ってきました。
“時間距離”という考え方があります。
たとえば沖縄なんて日本の南端ではありますが、
羽田から那覇まで飛行機で飛べば大体2時間半。あっという間です。
それに比べると新幹線で名古屋まで行って、車に乗り換えて~、
と飛騨高山まで行く方が時間距離は遠いわけです。

 

その考え方で、東京からいちばん遠い、
つまりたどり着くのに時間がかかる場所のひとつ、
四国最南端の高知県足摺岬に行ってきました。
しかも室戸岬を経由してのW岬めぐり、その2地点間の移動距離だけでほぼ300㎞です。
明け方に到着した何もない誰もいないイージュー★ライダーな室戸岬から、
足摺岬に着いたのは夕陽が沈む前、ただひたすらのドライブでした。
道中は絶景の太平洋を見過ぎて、目が満腹。
最後の峠道を走り抜け、たどり着いた足摺岬には
土産物屋もありバスツアーの観光客もいたことに、
なぜか安堵したのが少し遅い夏休みの思い出です。

 

太平洋側、びっくりするほどコンビニがないので、食事や休憩はもっぱら道の駅。
しかしそこで売っている「○○町のなんとかさんが作った煮物」とか
「地元産の魚介や野菜をつかったバラ寿司」とかがびっくりするほどうまい。
並ぶ端から近所の人たちにばんばん売れていて、
「道の駅=コンビニ」で、それが生活なんだと理解を新たにしました。

 

ちなみに徳島や高知のコンビニには普通にうどん屋が併設されていたりします。
ちょっと見たことのない光景です。
さすが四国、というべきなのでしょうが、
讃岐うどんの本場・香川県内でなく、徳島や高知のロー○ンです。
四国=うどん、と刷り込まれてやってきた観光客への気遣いなのでしょうか。
地方に行って、高速道路でなく、一般道を走っていると、
まわりの景色に興味がつきません。
私自身は運転免許を持っていないので、
助手席できょろきょろと見たことのないスーパーや本屋を探しています。

 

ここーは地の果てアールジェーリアー♪
果てとか、端とかに惹かれる崖っぷちな習性があり、
今のところ心の行きたい場所ベストテン第一位はユーラシア大陸の果ての国、
ポルトガルのリスボン。
ちなみに冒頭の「天国にいちばん近い島」はニューカレドニアですが、
ベストテン圏外です。
いつか疲れ果ててみたい、最果ての地で。
しかしそうこうしているうちに今年の果てまであとカレンダー1枚とは。