• メモリアルイヤーの回

    みなさま。
    あけましておめでとうございます。

     

    こんなわたしに年賀状をくださったみなさま、
    この場を借りてお礼申し上げます。

     

    来年こそは・・・!

     

    さて。
    今年はわが愛する心のふるさと、
    宝塚歌劇100周年の年でございます。

     

    100周年・・・1世紀にわたり、
    女性たちの心をわしづかみにしてきた、おとめたち。

     

    今そのような記念すべき年に、この時に、
    生きていられる幸運に、感謝してもしきれません。

     

    興奮してむやみに放出されてるであろう
    ア・ド・レ・ナ・リ・ン、アドレナリン。

     

    そんな100周年は具体的にどうなるの?
    とりあえず貯金がなくなります(即答)

     

    詳しい話は割愛しますが、
    お金に窮することは確定しています。

     

    大みそかはみなさん、何をしていたでしょうか?
    わたしはもちろん家でぬくぬくと紅白を見ていました。

     

    小林幸子・美川健一という2大オモシロ衣裳トップなき今。
    いったい紅白なんてどこがおもしろいのか?

     

    何の前情報も前夜祭的な盛り上がりもなく
    突入した紅白タイムでしたが、いやはやこれが面白かったのですね。

     

    あまちゃんな方がたはあまちゃんコーナーに号泣だったと聞いていますが、
    わたしは美輪様に号泣でした。

     

    あの圧倒的なカメラの動かなさ(そこか)
    白シャツ・黒い短髪で物語を生み出す、美輪様のスケールの大きさ。

     

    圧巻でしたね。

     

    あれを見てしまってからは、
    某福山のパフォーマンスなんてうたた寝もんでした。

     

    そして、なによりサブちゃんのサヨナラショー。

     

    宝塚でも、組の頂点であるトップスター(男役)が
    退団するときの千穐楽には「サヨナラショー」が催されます。

     

    これまでの出演してきた公演の歌を歌い、
    客席は涙しながらペンライトをふり、
    愛する贔屓とかけぬけた日々を想うわけです。

     

    男役が宝塚から卒業するということは、
    男役としてはもう二度とその板の上に立たないということ。
    人によっては何十年という月日を過ごしてきた
    男役としての人生に、幕をおろすことです。

     

    宝塚の男役として、青春のすべてを捧げてきた
    その時間、その努力、その愛、すべてにたいして、
    壮大な鎮魂のセレモニーが必要なのです。

     

    サブちゃんが紅白最後のステージに立つ、
    それはサブちゃんのサヨナラショーでした。

     

    大勢の出演者に囲まれ、
    最もサブちゃんらしいパフォーマンスをし、
    あの一夜のステージを永遠に記憶に刻んでいく。

     

    ふだんの紅白ならカメラにインしてこなさそうな
    演歌界の重鎮たちがこぞってサブちゃんと握手する姿は
    まさに世代交代の図でした。

     

    小林幸子・美川健一両雄を継ぐ巨大衣裳枠は、
    天に最も近付いたきゅうりとして鮮烈な印象を残した
    演歌歌手の水森かおりでファイナルアンサーだと思いますが、
    祭組トップスターを引き継ぐサブちゃんの後継者は、
    いったい誰になるのでしょうか。
    個人的にはおふくろさんよ・・・五木ひろしでお願いしたいです。

     

    公式発表が待たれるところですね(ない)

     

    さて、紅白はツッコミどころ満載でおもしろかった、
    というのが全体的な感想です。

     

    紅白の見方も、
    時代と共に移ろいゆくのだなぁとしみじみ感じた31日でした。

    ※水森かおりスケールを表現したサイズでお届けしています。

     

    今年、わたしは宝塚にすべてを捧げますので、
    影響されてメイクが濃くなっていっても誰もツッコまないでください。

     

    今年もどうぞよろしくお願いします。

  • 秋と冬の回

    秋が終わって、冬になってしまいました。

     

    なんとなく秋の気分を味わった気になっているのは、
    ボジョレーヌーヴォーというイベントのせいなのでしょうか。

     

    毎年毎年、「ボジョレーヌーヴォー」の時期は、
    ワイン風呂に入る水着姿の女性たちの姿を思い出します。

     

    あの映像だけは撮られたくないです。

     

    家で赤ワインをたしなむ趣味がないので、
    というよりそもそもお酒をたしなむ習慣がないので、
    毎年儀式のように「今年の出来」をニュースするテレビに、
    勝手に、需要と供給の世知辛さを見た思いになります。

     

    今まで飲んだワインで言うと、
    ポルトガルでいただいた貴腐ワインが、
    おいしかった記憶があります。

     

    せっかく外国に旅行しても、
    その土地名産のビールにも、ワインにも興味がないのは
    やっぱり損なものですが、ここまで来たのだからと、
    ポルトガルでは貴腐ワインを、
    スペインではサングリアを頼んだりしました。

     

    母もあまりお酒は飲みませんが、そういうところがあり、
    二人で旅行したときは必ず1杯ずつ頼みます。

     

    異国にいるときは、迫りくる景色や、
    そこで交わされる言葉や、人々の視線でほろ酔いできますね。

     

    日本以外の、特にヨーロッパの街は日が暮れると、
    ほんとうに暗いです。

     

    ヨーロッパの街は、居住区でも街灯がまばらで、
    家々は奥に造られているので、灯りが道までもれてきません。

     

    地震があまりないので、昔のままの建造物が多く、
    そうですね、やっぱり京都のお屋敷とかああいう、内にこもった雰囲気でしょうか。

     

    どこもかしこも24時間ネオンで明るい日本にいると、
    その中世のままのような暗闇に慣れないのですが、
    なんとなく、お酒を飲んでもいいかなという気になります。

     

    中世の騎士の血が騒ぐのでしょうか。

     

    中世の騎士だった記憶はありませんが。

     

    異国へ行ったとき、
    その土地の銘酒をいただけるようになりたいなぁとは思うのです。

     

    ワインと仲良くなるため、
    今年も弊社で行われたボジョレーヌーヴォーの会に参戦いたしました。

     

    「飲みやすいね」などとつぶやいてはみたものの、
    その実、酸味があるなくらいで、出来も何もわかりませんでした。

     

    ただ、したたかに酔っぱらって、ボジョレーヌーヴォーを、
    赤ワイン色のタイツと、赤ワイン色ではない短パンの上にぶちまけ、
    やわらかいパンをひたすら食べて、腹がふくれました。

     

    中世の騎士の血がまた騒いだのでしょうか。

     

    こんな酔い方しかできない騎士だったとすると、かなり階級が低そうなので、
    前世のことながら心配になりました。

     

    週末、イチョウの並木道の下をぶらぶらと歩きました。
    嘘みたいに真っ黄色になったイチョウの落ち葉は、
    地面を冗談のように黄色くそめていました。

     

    過ぎていく秋の景色と、近づく冬の気配。

     

    年末にふさわしく宝塚を観ました。
    年末でなくても観てますが。
    『The Merry Widow』というウィーンのオペレッタが原作だったのですが、
    実におしゃれで小粋な、ユーモアに富んだミュージカルでした。

     

    ウィーンでも年末に上演される演目というだけあって、
    華やかさとウィーンっ子たちが好きそうなウィットがちりばめられた会話、
    そして大人の恋愛すったもんだで大いに笑い、
    カンカンを観て嫌なことを忘れ、ワインを酌み交わし、
    踊って歌って、行く年を祝うのです。

     

    元日に、ウィーンフィルのニューイヤーコンサートのライブ中継がありますが、
    餅でもたべながら観ると、贅沢な気分になれます。
    餅をたべながら世界最高峰のコンサートを聴けるなんて、日本はいいですね!

     

    ビューティー的宝塚総決算2013をしようかとも思ったのですが、

     

    トップニュース 蘭寿とむ様の退団発表
    一番心に残っていること 蘭寿とむ様の退団発表
    一番驚いたこと 蘭寿とむ様の退団発表
    一番悲しかったこと 蘭寿とむ様の退団発表

     

    と、永遠にネタが変わらないので、割愛します。

     

    何はともあれ、濃い1年でした。(宝塚的に)
    さまざまな出会いと別れがあった1年でした。(もちろん宝塚的に)

     

    次回は年明けの更新でしょうか。
    それでは皆様、早いですがよいお年を。

     

    来年は宝塚が生まれて100年目です。
    とうとう、きんさんぎんさんに並びましたね。(感涙)

  • 野球の回

    楽天が日本一になりました。
    マー君、すごいね。

     

    ハンカチ王子と、
    甲子園を沸騰させていた時代がはるか昔のことのようです。

     

    わたしは女子なので、
    あまり野球に慣れ親しむ環境がありませんでした。

     

    わたしの青春がスラムダンクの影響下にあったせいかもしれません。
    バスケが好きでした。

     

    それでも、「父親が巨人ファン」というお決まりのパターンは
    我が家でも展開されていて、「だめだなァ巨人は」と、
    負けてイライラするのなら見なければいいのに、
    悪態をつきながら巨人戦を見ている父親の姿は、
    網戸にはりつくバッタと並ぶ、夏の風物詩のようなものです。

     

    父親は桑田投手の現役時代、テレビを見ながら、

     

    「こいつは帽子が斜めになってるのがダメなんだ」

     

    と、ものすごく細かいポイントで批判してました。

     

    「嫌いなの?」
    「帽子を斜めにかぶるところはな」

     

    細か!!!!
    細か過ぎるけど、気になる人にとっては気になるのですね。

     

    余談ですが、わたしの祖父は、少し長嶋茂雄に似ていました。
    だから、野球のことに疎いわたしも、長嶋茂雄は好きなんです。

     

    もうわたしが意識して「野球」を見る頃には、
    長嶋茂雄=祖父という印象だったので、「おじいちゃん」と呼びかけたくなります。

     

    そういう人ってけっこういると思うんでよね。

     

    夏休み。
    姉と見る甲子園が好きでした。

     

    大学も夏休みで、バイトまで時間があったようで、
    姉はテレビをつけてよく甲子園を見ていました。

     

    スポーツ全般にさほど興味を示さない姉でしたが、
    いつも「沖縄水産がいい。みんなかっこいい」と、
    沖縄水産高校が出場するたびに、ウキウキしていたのを思い出します。

     

    その刷り込みのおかげで、
    わたしの中で「沖縄水産高校ブランド」が確立されました。

     

    今でも、沖縄水産高校野球部にはイケメンしかいないと思っています。

     

    大阪(というか宝塚)へはもう何十回と遠征しているのに、
    甲子園には一度も行ったことがありません。

     

    負けたチームが砂を持って帰る、あのグラウンド。

     

    タッチ(アニメ)。

     

    ビールかけも女性問題もない、汗と涙と青春の球場。

     

    一度も行ったことがないので、
    もしかしたら甲子園は3Dなんじゃないかって思います。

     

    映像でしか見ない、あの灼熱のアルプススタンド。

     

    一度だけ、大学生か社会人1年目かに、
    西武ドームに、西武とどこかの球団の試合を見に行ったことがありますが、
    人が遠くて、あと自分の目が悪いせいもあって、
    なんとなくぼんやりした感じで見ていました。

     

    でも「おにぎりくん」がヒットを打ったときは、自分もかなり盛り上がりました。

     

    そんな粗末な野球の記憶とともに、
    今回の楽天の優勝を見守りました。

     

    優勝の瞬間をテレビで見ていないのですが、
    甲子園のマー君は、やっぱりかっこよかったです。
    きっと、日本一になったマー君もかっこよかったことでしょう。

     

    マー君のいいところは、里田まいと結婚したことと、
    いつまでも顔年齢が変わらないところだと思います。

    あと、マー君呼びが似合わなさそうで案外似合うところ。

     

    さて、それでは楽天セールにいってきます(ネットサーフィン)。

  • 時間旅行の回

    タイムトラベルに関する小説を読んでいて、
    自分だったら過去にトラベルしたいかどうか?をぼんやり考えていました。

     

    10㎏以上痩せていた入社当時に戻りたいとか、
    視力が2.0あった小学生時代に戻りたいとか、
    そうしたことをなんとなく思ったりはしましたが、
    入社当時に戻れば、また1から人間関係を築いていかなければいけないし、
    小学生時代に戻れば、あらゆる青春をまたやり直さなければいけない。

     

    だから、今をこうして生きていることは、将来の自分から見れば、
    とても今はそうできない、昔はよくやっていたなと感心してしまいそうな、
    そんな過去を生き抜いている現在なのだろうと思います。

     

    今は、どちらに進んでいるのか皆目わからず、
    運命というものがあってその流れに身を任せているにしても、
    今日どうすればいいのか、明日どうなっているのか、検討もつかない。

     

    その小説の中で、タイムトラベルするのは、オックスフォード大学の史学生たち。
    彼らは、第二次世界大戦の最中のロンドンへタイムトラベルし、
    そこでさまざまな困難に見舞われます。
    歴史をリアルタイムで体験する、そう書けば聞こえはいいですが、
    “リアルタイムで体験する歴史”には想像を絶する出来事が待っているのです。

     

    その中に、サーゴドフリーキングズマンというシェイクスピア劇の俳優が出てきます。
    彼はもう壮年を優に超した年齢ですが、膨大なシェイクスピア劇の台詞を暗記しており、
    ことあるごとに『マクベス』やら『ロミオとジュリエット』やら『テンペストやら『リア王』・・・
    から台詞を引用し、会話の中に登場させるのです。

     

    それがとても、とてつもなく、感動的でした。

     

    ある決定的な場面で交わされる会話というのは、
    すべてシェイクスピアの書いた台詞のなかに
    既に書かれているのではないかと思うほどに。

     

    ある時、わたしは父親にこう質問したことがあります。
    どうして、アリストテレスやデカルトやフロイトやニーチェやハイデガーや
    その他大勢の歴史に名を残した偉大な哲学者が既に存在して、
    思想も考え方も出尽くしてしまっているように見えるのに、
    哲学者という人がなおも存在し続け、哲学をやろうとするのか、と。

     

    父は深く考えるそぶりもなく、こう言いました。

     

    「大きな岩と岩の間には隙間ができる。それを埋めるためだろうな」

     

    わたしはそれを聞いて、これからの哲学者は大きな岩の隙間を埋める
    小さな石にしかなれないのだと思い、先人たちの大きすぎる功績に唖然としました。

     

    きっと今、哲学を志したり、小説を書いたり、演劇をつくったり、映画を撮ったり、
    あらゆる芸術を探究しようとする人たちは、常にそうした大きな岩の存在を感じながら、
    穴を埋める、もしくは穴を穿ち、そこからがらがらとあらゆるものを刷新してしまうような
    アヴァンギャルドな小石として必死に生きているに違いありません。

     

    わたしは宇宙から見たその一瞬のなかでも、
    爆発力のある一瞬を過ごせたらいいなと思うのでした。

     

    気づけば、もう秋になってしまいました。
    ホットカフェオレをちびちびしながら、小説をゆっくり読みたい季節です。

     

    今回は、トレースをひかえました。
    わたしの敬愛してやまない花組トップスターの蘭寿とむさんが、
    来年の5月11日をもって宝塚を退団されることになったからです。

     

    この年で青春を味わえるとは思っていなかったので、
    蘭寿さんと出会えてわたしは幸せでした。

     

    そうですね、もしタイムトラベルするなら、
    蘭寿さんが最高倍率を首席で突破した1994年に行きたいです。

     

    そして彼女の輝かしい笑顔を、
    卒業されるその瞬間まで、ずっと見続けたい。

     

    来年は、忙しくなりそうです。

  • 風の回

    やっと観ました。
    宮崎駿監督の最新作『風立ちぬ』。

     

    わたしが観たのは「喫煙シーン」のことが話題になったあとだったので、
    どうしても「喫煙シーン」に注目してしまいましたが、
    それもおいても、いやはや、やっぱりよかったです。

     

    主人公の二郎役の声優が庵野監督だってことをすっかり忘れて、
    エンドロールもぼんやりと見ていたので、
    あとでホームページを見てようやく思い出しました。

     

    朴訥なしゃべり方だなぁと思ってたけど、
    そんなのは、声優ではなく俳優などが多く起用される宮崎駿作品にはよくある話で。
    宮崎駿作品には純然たる宮崎駿節が存在するので、それでいいと思います。

     

    わたしが好きなのは、山口智子が演じたお母さん。(『崖の上のポニョ』の耕介の母親)
    観ているその時、ああこの声好きだなぁと思う声でした。

     

    さて、『風立ちぬ』の喫煙シーン。

     

    みなさんがどう思われるかはわかりませんが、
    わたしはまったく気にならなくて。
    日本禁煙学会の主張がよく理解できません。

     

    「さまざまな場面での喫煙シーンがこども達に与える影響は無視できません」

     

    このように日本禁煙学会は映画を批判しています。

     

    わたしも煙草の煙それ自体はとても苦手で禁煙ルーム希望ですが、
    煙草を吸っている人を見るのは好きなんです。
    自分では矛盾しているとは思わないです。

     

    『風立ちぬ』では、主たる登場人物の二郎、二郎の親友の本庄も、
    作品中に頻繁に煙草を吸っていました。
    頻繁に、と言っても時間の流れを考えれば普通だと思いましたが。
    ただ、二郎の奥さんの菜穂子は結核を患っていて、
    菜穂子が寝ているそばで二郎が煙草を吸うシーンが出てきます。
    それが特にけしからんと非難されたというわけです。

     

    「なぜこの場面でタバコが使われなくてはならなかったのでしょうか。他の方法でも十分表現できたはずです」

     

    と、こういうわけです。

     

    でも、その場面は、すごくせつない愛の場面なんです。
    わたしが二郎だったら、やっぱりあそこで煙草を吸うと思います。
    愛というのは、時々、そういうものなのだと思うから。

     

    宮崎駿作品の、風が好きです。
    主人公に味方をする風、主人公に牙をむく風、いろいろな風があるけれど、
    いつも気持ちがいい風だなぁと思います。
    一度は「吹かれたい風」です。
    宮崎駿監督は、あんな風をずっと感じて作品をつくってきたのでしょうか。

     

    絵コンテを前にして、いつも風を感じているのでしょうか。
    それはわたしにとって、とてもすばらしいことで、うらやましいことです。

     

    宮崎駿作品の、涙が好きです。
    菜穂子が喀血したと聞いて、二郎が急いで菜穂子にもとへ駆けつける場面。
    電車で設計の仕事を続けながら、その紙の上にぽたぽた涙が落ちるんです。
    ぽたぽたというより、ぼたぼたと。
    二郎の瞳に大粒の涙があふれます。
    それはもう大粒に。大きくて、粒粒した涙が、ぼったぼったと流れていく。
    その描写がどこまでもアニメで、アニメでしかできない表現で、胸をうたれます。

     

    宮崎駿作品の、膨らみが好きです。
    二郎の妹が、菜穂子の手紙をにぎりしめて泣く場面。
    宮崎駿作品のキャラクターは、よく服に空気がはいって膨らみますよね。
    身体中に想いがあふれて、身体を膨らませる。
    わかるんですよね、あの気持ち。
    自分は膨らんだことないし、そんな人は宮崎駿作品の中でしか見たことないけれど、
    すごくよくわかる。

     

    あれはディズニー映画にはない描写ですよね。
    ディズニー映画も大好きですが。
    みなさんは『モンスターズ・インク ユニバーシティ』観ましたか?
    あれもねぇいいんですよ。
    おしゃれでキュートな作品です。
    過不足のない、良質な映画です。

     

    夏休みに観るべき映画を2本観て、わたしの夏は終わりました。
    もう、蝉は泣いていません。

     

    ただ夏を惜しむように、時折、日差しが顔を見せるだけです。

     

    夏の名残があるうちにもう一度、
    風を感じに映画館に行こうかなと思います。