検索の罠

冬は、海外旅行が安いです。なんせ寒いから。

 

この間、海外旅行に行く母のために、

Aという国のオペラ座公演のチケットを入手しようと、

インターネットで検索していました。

 

海外旅行のリアルな情報については、

『地球の歩き方』(タイトルが最高)が有名ですが、

今は個人ブログのほうが詳しく書かれていたりします。

わたしも、昨年の秋にロンドンへ旅行した際、

事前にさまざまな個人ブログを読んでから行きました。

 

同じように、今回も、Aという国のオペラ座のチケットの取り方、

実際のオペラ座劇場内の様子をレポしたもの、と、いろいろブログを開いてみました。

 

わたしはそこで、オペラ座の公式HPがあること、

チケットはオンライン予約でき、席も選べることを理解しました。

 

ブログの記事というのは、いつ書かれたものかによって、

情報が不正確なときや、曖昧なときがあります。

あくまで個人が体験した情報であり、その情報をどう信じて使うか、

つまりリテラシーは検索する側の知識にかかっています。

 

わたしは、「A(都市名) オペラ座  公式」でヒットした、

検索結果で1番上にきたページを開きました。

そのサイトは日本語に対応していました。

観たい演目に進み、席を選びます。

ただ、ほかのブログで書かれていたように座席表から席を選ぶことができません。

ここで、「おかしい、公式とはちがうサイトなのではないか」

という心配が一瞬、頭をよぎりました。

虫の知らせみたいなものでしょうか。

でも、サイトの上部には「チケットの品質保証マーク」がついています。

わたしは自分の心配をおしとどめました。

一緒にサイトをのぞいて母に、「とっちゃおう!」と明るく背中をおされ、

オンラインで4つの演目のチケットを購入しました。

 

そう。ここまで書けばおわかりかと思いますが、

このサイトは、公式HPではなかったのです。

 

あとで冷静になって振り返ると、

・個人ブログでリンクが貼られていたページとドメインが違う

・サイトの見た目がぜんぜん違う

・公式サイトなら選べるはずの席が選べない

・公式サイトでは対応していない(以前は対応していた)はずの日本語に対応している

等々…なぜそのサイトを選んだ?という相違の数々。

 

ただ、不幸中の幸いで、わたしがチケットを購入したサイトも、

正規のチケットを取り扱うところだったのです。

わかりやすく言えば「手数料を+30%取るぴ◯」みたいなサイトでした。

 

そのあとで(簡単に!)たどり着いたオペラ座の“本当の”公式HPでは、

もちろん席が選べました。大ショックです。

オペラは一番席が高いのですが、公式HPはもちろん定価で手数料なし。

くだんのオンラインチケットサイトで買ったチケットは、

4000円ほど手数料が上乗せされていました。大ショック30%増しです。

 

母に事情を話すと、

でも事前にチケットが取れてよかった、ありがとう、と言われ、

まぁお正月明けだったからしょうがないよね〜、となぐさめられました。

 

お正月明けに風邪を引く人が多いのも、

年末の慌ただしさで張りつめていた糸がゆるみ、

人間のバイオリズムを狂わせるからなのでしょうか。

セールがお正月明けなのも、

年末まで抱え込んだストレスから解放したところで、

財布のヒモをゆるめるためなのかもしれません。

 

わたしは大学生の頃に、一度、母と父とそのオペラ座を訪れたことがあり、

何年も前ですが、そのときはちゃんと、

日本から公式HPにアクセスし、チケットを買っていたのです。

今ほどは公式HP以外のオンラインチケットサイトが豊富ではなかったので、

ほかのサイトに迷いこむことなく、公式にたどり着けたのでしょう。

えらいよ、あの頃のわたし…。

当時のほうが情報や選択肢が限られていたので、

間違えようがなかったのですね。

 

現在、インターネットには何億というページがあると言われています。

今回の件でわたしが学んだ教訓ですが、

とくに海外のオンラインサイトに関しては、

「検索結果で一番上にくるサイトをうのみにしない」

「あれ?と思ったら一度やめて、冷静になる」

「ブログをいくつか読んで最適解を探す」です。

 

今年がはじまってもう1ヶ月が経とうとしています。

先日、カラスに頭部をワサッとやられました。

なんのけがもなく無事でしたので、

これで厄落とししたということにしていいでしょうか。

カァ。