ビューティーなメモリー 宝塚の回

だいぶいまさらですが、あけましておめでとうございます。
わたしは大みそか、村上ショージをみてテンションあがりました。
なんでだろ。
トイレの神様ちゃんと聞いた人いる?
あゆってウェディングドレス姿だったの?
あと、巨大な鶴は・・・?
衣装対決はやっぱり、さそり座のあの人がいないとね!

 

年も変わったし新しいことはじめたい!
そう思うあなたは〇ーキャンのCMに洗脳されぎみでしょう。

 

さて、ビューティー的2011年ことはじめはなんと・・・「宝塚」!
かなりビューティー!ザッツ・ビューティー!
1月3日に、初!タカラヅカ体験してきたので
興奮さめやらぬ調子でそれをレポートしちゃうYO!

 

宝塚と言えば!
ものすごい濃い化粧をして(つけまつげとか二重)
男装の麗人がいて(肩パッド的なものを入れてありえない直角の肩)
ラブシーンもあって(この世のものとは思えないあま~いっていうかクサ~いセリフ)
なんだこれは!?っていうのが最初の感想。
でも、とにかく一度観たら忘れられないインパクト!
宝塚のメイクはほんとうにすごくて、歌舞伎や京劇とまではいかないけど、
あれくらいの「作り込み感」や「非日常感」はあります。

 

みなさんは『ベルサイユのばら』を知っていますか?
あのオスカルのイメージね。目キラッキラでしょ。
宝塚が公演する劇場は2000人規模の大劇場なので、
そこでひとりひとりの観客に表現をとどけようと思ったら
あれくらい化粧しないとねーダメなんですね。
はじめは驚くけど、すぐ見慣れます笑。

 

 

宝塚初心者のあなたのために。(わたしもだけど)
説明しよう!
宝塚歌劇団とは、約450人の女性だけで構成される劇団。
世界で唯一、女性が男性の役を演じるのであーる。
1913年に小林一三により創設。
「清く、正しく、美しく」をモットーに今年で98年となる伝統がある。
宝塚には「花・月・雪・星・宙」の5組と、どの組にも属さない「専科」があーる。

 

それぞれの組の頂点に立つのが「トップスター」。
この「トップスター」こそ、宝塚の人気のヒミツなのだー!
宝塚で「トップスター」と呼ばれるのは「男役」だけ。
すべて女性の劇団なので、男性の役も女性が演じる。
それを「男役」というんですね。で、相手のヒロイン役を「娘役」と言う。
女優の黒木瞳や「〇麦」冷やして待っていてくれる壇れいは、娘役の元トップ。
天海佑希や真矢みきは一時代を築いた男役の元トップスター。

 

トップスターは、その組の中心に立ち、みんなの熱い視線と期待を一身に背負う。
すべての公演で主役をはり、舞台演出、脚本、配役もそのトップスターが映えるように
トップスターを中心に作られていく。これは徹底してます。
わたしがちゃんと「トップスター」という言葉を理解したのは、
昨年NHKで放送された「ディープピープル」という番組。
元トップスターの3人(真琴つばさ・春野寿美礼・安蘭けい)が
宝塚の世界を語り合っていてそれはそれはおもしろかった!

 

で、こりゃ実際に観に行くしかない!と思ったわけ。
わたしが1月3日に観た宙組公演『誰がために鐘は鳴る』でも、
もちろん主役は宙組トップスターの大空祐飛という男役。
もうね、登場した瞬間に割れんばかりの拍手なのさ!!
舞台上どこにいても常に中心。常にスポットライト。
最前列の席のすぐ目の前に、「銀橋(ぎんきょう)」という
ファンタジーな名前のついた舞台のせり出し部分があり、
そこにトップスターが来ようもんなら拍手倍増!
踊って拍手!歌い終わってさらに拍手喝采!
それは相手役の娘役トップに対する拍手とも、
二番手三番手といわれる男役に対する拍手とも違う、
「いよっ待ってました!あんたが大将!」の大拍手なのだ。

 

歌舞伎で、顔をキリッとキメる「見得を切る」というしぐさがあるけど、
宝塚もあります。演じる役の心情をぐぐぐと歌い上げたとき、
スポットライトがピッカーン!って当たって、顔をキメるんですね。
これがまたカッコいいよね~!!
盛り上げ方を知ってるっていう感じです。さすが宝塚!

 

いやー素直に拍手したくなるよあれは。
お芝居は重たいシリアスなシーンもありつつ
表情とかセリフだけみるとね、ちょっとね、大げさっぽいさ。
内容も誰にでもわかりやすいストーリーが多いさ。
でもねーそんなことじゃないの!!なんたって夢の世界なので!

 

たとえば劇団四季で、みんなが「キャッツ!ニャーッ!」とか歌ってても
うさんくせえっ!とは思わないでしょ?
でも、歌が下手だとがっかりじゃないですか。
その点、宝塚は歌がうまいわ踊れるわ早着替えできるわ(!)で
観てて飽きないんだねーこれが。

 

わたしは大学時代から舞台をいろいろ観ました。
大声張り上げて「オレは悲しいんだー!」「わたしは嬉しいのー!」と
感情を強引に観客と共有しようとする、あのキモい感じにいい加減ウンザリして、
最近はシンプルで前衛的な舞台だけ行くようにしていた。
そんな中、宝塚は思ってもみなかった方向から、
どどどどどどすん!と五寸釘っつーか五十寸釘(150センチ位)うたれたような
衝撃を感じました。

 

東京宝塚劇場の内装は、もはやシンデレラ城。
一歩劇場に入ればそこはめくるめくザ・タカラヅカワールド。
いいですねーこの別世界感!!
幕が上がる直前、まず場内アナウンスがあります。
主演するトップスターの大空祐飛のあいさつが流れるのさ。
そのあとオーケストラの生演奏とともに開演。
今回は、第一幕、幕間30分、第二幕。そのあと短時間のショー。
ショーはダンスと歌中心でみせていきます。
さっきまでしっとりしんみりお芝居やってたのに
幕が下りた瞬間いきなりミラーボールがピカピカクルクル回りだして
180度空気が変わってみんな踊りだすわ歌いだすわ!
『誰がために鐘は鳴る』は、スペイン内戦の話なので
フラメンコや闘牛をモチーフにした情熱的なダンスが
総勢80名のタカラジェンヌによって披露される!
キラキラしててド派手でめちゃくちゃ楽しいよ!!
闘牛士に扮する男役はキレのある動きでひたすらカッコよく、
フラメンコを踊る娘役はひたすら艶っぽく美しく。

 

わたしがなによりビックリしたのは、
男役が、すごくキレイで華があって、しかも色気があること。
あの独特なメイクのせいもあるけど、
宝塚の男役は、リアルな男性像ではなくて
女性が「こんなカッコいい男の人がいたらいいのに~!」と思わせる
いわばデフォルメされた理想的な男性を演じます。
それこそ何千人の観客を非日常空間へと一瞬で引きずりこむ
歌唱力とオーラと目ヂカラとパフォーマンス!
最初はおもしろがって笑いながら観てたわたしも、
すっかり見入ってしまったのでした。
母は芝居のラストで泣いてました。
いや、わかるよ母!グッとくるよね!あのラストはね!

 

さあ、いよいよショーのフィナーレ。
キャスト全員が舞台後方にあらわれた26段の大階段(!)から、次々とおりてくる。
そしてトリを務めるのはもちろん、トップスター!
だれよりも大きくて豪華な羽根を背負ったトップスターが、
スポットライトの大きな円い光のなかにドドーンと立つ。
その姿に、今日いちばんの盛大な拍手が送られます。

 

 

なんだろう、あのとてつもない劇的な空間は。
不覚にも感動しました。

 

全身総スパンコールでキラッキラの衣装に
どでかい真っ白な羽根(何十キロもある)を背負って
歌いながら、観客の拍手に笑顔で応える。
拍手しながら華やかな舞台の成功をいっしょに祝っている気分。

 

100年近い歴史が積み重ねてきた技術とブレない表現。
宝塚は本物のエンタ~テ~イメ~ン~ト~~~~~!
決して後悔させない夢の~せ~か~い~~~~~!

 

死ぬ前に一度、本場宝塚大劇場の最前列で観てみたいもんです!
ちなみに今回は2階席の6列目の右はじ。
舞台を見下ろす感じになるけど、心から楽しんじゃったねー。

 

みんなもゆ~け~!タカラヅ~カ~に~~~~~~!