イトコとワタクシ

僕のイトコ(5歳)は、
親戚中でも有名な超絶わがまま王子。

 

ちょっとでも気にいらないことがあるとすぐに不機嫌になるし、
いちどつかまるとなかなか逃れることはできません。

 

まるでアリジゴクのようなこどもです。

 

だから、なるべく関わらないようにしていました。

 

正直めんどうだからね。

でも、先日のゴールデンウィークに帰省したとき、
ついにつかまってしまいまして。

 

お昼を食べたあとふと玄関の外を見たら、
目が合っちゃったんですよ。

 

ゴムボールを抱えたあいつと。

 

その目を見た瞬間、いやな予感がしました。

これはくるな、と。

 

とっさに周りを見ました。

 

誰か、誰か味方はいないのかと。

 

一緒に犠牲になってくれる人はいないかと。

 

そうだ、伯母さんだ!

 

伯母さんがいるじゃないか!

 

いつもイトコの相手をしている伯母さんがいれば心づよ…

 

 

伯母さんが奥の部屋にスッと入っていくのが見えた

 

 

あれ?

 

ねえちょっと伯母さん?

 

あっ。なるほど。

 

これは完全に生贄にしたね。

 

伯母さんは僕を売ったね。

 

しかたないね、いつも相手してるものね。

 

たまにはラクをしたいよね。

 

うんうん……。

 

 

諦めて再び玄関のほうを向いたら、

 

イトコが満面の笑みで待っていました。

 

「遊ぼうよ!」

 

玄関に元気な声が響きわたる。

 

嗚呼。

 

 

さて。

 

しょうがなくサッカーをはじめたんですが、
イトコの動きに終始圧倒されっぱなしでした。

 

どんだけ蹴っても、どんだけ動いても、まったくへばらないんです。

 

むしろ、どんどん元気になっていって手がつけられない。

 

スタミナが半端じゃない。

 

おまえは長友か。

 

※長友とは…
セリエAのインテルに所属している、サッカー日本代表選手。
尽きることのない世界トップクラスのスタミナで相手を翻弄する。

 

 

しかも、約5メートルの至近距離から全力シュートしてくるんですよ。

 

5歳児にコントロールなんて概念ありませんから、

 

左に右にがんがん打ってくるわけ。

 

僕のうしろには親戚たちの車がとまっていたので、
それを守るために僕は必死でキーパーをするはめになりました。

 

5歳児に振り回される25歳と、それを遠くで見守る伯母さん、
という構図が完成です。

 

伯母さん、暇ならちょっとは助けてくれないかな?

 

まじで。

 

 

けっきょく2時間(!)ぶっつづけでサッカーやりました。

 

もうへとへとですよ。

 

イトコはそのあとすぐに伯母さんと山菜採りに行きました。

 

ほんと、こどものスタミナ凄すぎ。

 

今回遊んだせいで気に入られたっぽいので、
つぎ帰省するまでにちょっとは体力つけておこうと思います。