7年の日々

「半沢直樹」の最終回の翌日は祝日でした。
近所の公園にいたら、小学校低学年ぐらいの男児4人が虫取り網を振り回し、
“倍返しだー”と言いながらあたりを走り回っていました。あんな子どもまで見ている。
その時、多分視聴率はすごいんだろうなと予感しました。
そして平均視聴率42.2%。
続編への期待感もたっぷりの思わせぶりな最終回でした。
しかし今や半沢は出向先で弁護士になって活躍しています。
怖ろしいことに“やられなくても倍返し”するそうです。
またいつか銀行に戻ってくるのでしょうか。

 

「あまちゃん」の最終回は土曜でした。
「あさイチ」で恒例となったイノッチと有働アナのあま受けもなく、
まるで15分間それ自体が映画のエンドロール、
出演者やスタッフのクレジット共に流れるダイジェスト映像のような
最終回だったと思います。
そして平均視聴率 関東地区20.6%。
話題になった割には思ったほどの数字でないのは、
見ている人は一定数で、語りたい声が大きかっただけなのかもしれません。
特に40代以上の人間が。
半沢直樹や大和田常務も、
会社では倍返ししなければならないことや土下座したりさせられたりしたことを忘れて、
家に帰れば録画した「あまちゃん」を見ていたかも。
そしてみんなそれぞれの日常に戻っていきました、アキも能年ちゃんもわたしもあなたも。
そんな淡々とした最終回でした。
もしどちらかの番組のスピンオフがあるとしたら、
国税の黒崎主演で「かまちゃん」を制作してほしいです。
5分ぐらいでいいです、それ以上だとしつこいから。

 

いつまでも終わったドラマを振り返っていてもしょうがないので、
未来に目を向けてみると、2020年です。決まりました、東京オリンピック。
個人的には、だらだらとそこらへんを歩いていたら、
急に競技場のトラックの中に誘導された気分です。
目の前に突然あらわれた7年後、それぞれの人生の中に、おそらく等距離ではないけれど、
東京オリンピックまでのコースが設定されました。
決定の報道に触れて、7年後の自分がどうしているのか、どうなっているのか、
考えなかった人はいないでしょう。
気が早いテレビ番組は“7年後の東京はメダルラッシュだ!”とかなんとか特集を組んで、
小中学生の将来有望なスポーツ選手たちを取材したりしていました。
わたしがたまたま話した現在小学6年生の女子は、その頃19歳。
よくわかりませんが、競技会場でバイトする、と張り切っていました。
出場を目指さないところが現実的です。

 

そしてその先にはリニア中央新幹線までが設定され、
品川―名古屋間が開通するのが14年後の2027年、
品川―大阪間が32年後の2045年だそうです。
自分自身の年齢を考えると、
オリンピックはともかく、14年後、ましてや32年後は…、もう、どうでしょう?
冥土のみやげにリニアに乗車、というわけにもいかず、すでに冥土に行っている可能性も。

 

たとえば今年入社7年目の同僚のことを思い出してみてください。
あの人やこの人や…、7年ってそんな月日です。