• 再会

    この人とは、もう一生会えないんだろうな。

     

    長く人間をやっていると(といっても、まだ20数年ですが…)、
    そういった人たちとの別れを予感するときがあります。
    特に同級生が多いですね。
    卒業とともに会う機会がめっきりなくなって、それっきりになっちゃうパターンです。
    どんなに仲良くしていても、会わない時間が増えていくと、忘れていってしまうんだよなあ。
    まだ「あいつ結婚したよ」とか風の噂が届いてくるレベルならいいですけど、
    今どこで何をやってるのかまったくわからなくなる人もいて。
    そうなると、もう一度会うなんて、本当に難しくなってくる。

     

     

    ところが。

     

     

    ふとしたきっかけで、そんな人たちと再会できたりするんですよね。
    夏に帰省したとき、幼馴染と家の前でたまたま遭遇したり(じつに5年ぶり)。
    飲み会に飛び入り参加したら、
    そこに中学卒業以来会ってなかった人がいたり(こっちにいたっては10年以上ぶりだ!)。
    これまでの疎遠っぷりがウソのように、ぽんぽん再会できたりする。
    不思議です。

     

    つい先日も、バスケの大会で大学の同級生と数年ぶりに再会しまして。
    対戦相手のチームに、なんとなく見たことがあるような人がいるなあ、とは思っていたんです。
    でも、まさか同級生だとは思わないじゃないですか。
    もう何年も連絡どころか顔も見てないわけですからね。
    だから、なんとなく声をかけられずにいました。
    そしてそのまま大会が終了して、帰ろうとしたときに、
    その人と体育館の狭い廊下で鉢合わせしたんです。
    その瞬間、2人して

     

    「あーーーーー!!!!」

     

    と叫んじゃいました。
    この人とはもう本当に、本当に、一生会えないだろうなと思っていました。
    きっと向こうもそうに違いありません。
    それが、まさかバスケの大会で、対戦相手として再会するとは!

     

    Facebookなどで積極的に連絡をとるんじゃなくて、
    あくまで偶然に再会しちゃう、っていうのが僕は好きです。
    もちろん、Facebookもいいんですけれどね。

     

    今年も残り3カ月。
    この調子で、あともう1人くらいと再会できればいいなあ。

  • N

    先日の世界陸上に、オスカー・ピストリウスという
    両足義足のランナーが出場していた。
    惜しくも決勝進出はできなかったけど、
    健常者と遜色ないタイムで走る彼を見ていて、
    ふと高校の同級生で同じバスケ部だったNのことを思い出した。

    詳しくは知らないけれど、Nはこどものころに、
    病気のせいで下半身にまったく力が入らなくなったそうだ。
    バスケは中学になってから始めたらしく(いわゆる車いすバスケというやつ)、
    その実力は、当時の車いすバスケジュニア日本代表に選ばれるレベルだった。
    普段はのほほんとしているくせに、実はすごいやつだったのである。
    ちなみに、チェアスキーもかなり上手かった。

     

    Nはシュートが上手かった。
    他の部員に比べても全然負けてないどころか、
    むしろNのほうが上手いんじゃ?ってくらい。
    僕よりは確実にNのほうが上手かったと思う。

     

    なにより驚いたのが、3ポイントシュートが届くこと。
    Nは下半身が動かないから、上半身の力だけでシュートすることになる。
    おまけに、車いすだから立ってシュートするより打つ位置が低い。
    当然、ゴールは立っているより遠くなる。
    それなのに、横で届かなくて困っている僕を尻目に、ばんばんシュートするのだ。
    しかも入る。
    すごい!としか言いようがない。

     

    Nにはよく部活後のシュート練習につきあってもらった。
    ある意味師匠みたいな存在だった。
    まったくの初心者だった自分でもそれなりにシュートが入るようになったのは、
    Nのおかげなのかもしれない。

     

    そんな感じで彼と3年間を過ごしてて感じたのは、
    自分が車いすに乗っていることを、あまり障害だと思ってないんじゃないか?ってこと。
    むしろ、車いすは自分の足だ、ぐらいに考えてたと思う。
    少なくとも、僕にはそう見えた。

     

    ピストリウス選手だって、そうだ。
    僕たちからすれば義足だけれど、
    彼にとってはもう自分の足そのものって感覚なんじゃないかな。
    反発力がどうのとか、議論は尽きないと思うけど、
    個人的にはこれからもチャレンジを続けていってほしいです。

     

    ちなみに現在Nは、地元の車いすバスケのチームに所属して、
    日本代表に選ばれるために頑張っているらしい。

  • サンダル

    夏が始まってから、ずっとサンダルを探しているんですよ。
    けど、これいいなって思ったやつに限って、
    かならず自分に合うサイズが欠けているんです。

     

    サンダルって履いても足がまる見えですよね。
    だから、サイズがちょっと合ってないだけでも、
    なんだかえらく不格好になってしまうんですよ。
    それに、すぐ脱げちゃったりして履きづらい。
    これじゃあ、靴として失格です。
    アウトドア用とかのバンドが付いてて固定できるタイプなら、
    ある程度履くことはできます。
    ただ、やっぱり不格好感はいなめないんだよなぁ。

     

    で、しょんぼりしてると店員さんが決まってこう言うんだ。

     

     

    「ひとつ上のサイズ、試してみますか」

     

     

    お気持ちはありがたい。
    ありがたいんだけど、試しません。

     

    だって、どう考えたって合うわけがないんですよ。
    ほら、サンダルの横に足を揃えた時点で、
    見てほら、相当でかいでしょ?
    目測で既にでかすぎることが確定しているのに、
    わざわざ実測してそれを確かめてどうする。
    店員さんのこの言葉にのって、よかった試しがほとんどない。

     

    どうやら、今年の夏も、
    サンダル探しているうちに過ぎ去ってしまいそうです。

  • 我が家にテレビがやってきた

    アナログ放送終了前日の7月23日。
    ついに、我が家に地デジ対応テレビが到着しました。
    14型から37型への、圧倒的進化です。
    ありがとうございます。

     

    まだ全然使いこなせてないんですけど、
    まあとにかくいろいろと便利なんですよ。
    番組表がボタン1つで表示できるし、
    その番組表から録画予約までできるんですよ。
    おまけに、天気予報とかがいつでも見れちゃうってどういうこと?
    ほんともう、なにこれ。
    便利すぎるだろ…!

     

    と、あまりの多機能っぷりにいちいちありがたがってるわけですが、
    なんといってもうれしいのが、録画が簡単にできること。
    僕の買ったテレビは外付けハードディスクで録画するタイプなのですが、
    難しい操作とかなんにもなしで録画できるんです。
    ハードディスクつないで、あとはリモコンでちゃちゃっと操作するだけ。
    え?いいのこんな簡単に録画できちゃって?って感じですよ。
    録画って、もっとこう、めんどくさいんじゃなかったっけ。
    ほんともう、なにこれ。
    便利すぎるだろ…!(2回目)

     

    というわけで、
    最近はいろんな番組を録画しまくってます。
    もはや、リア充ならぬ、テレ充生活です。
    すばらしい生活だ!

     

     

    ま、録画したやつほとんど見てないんですけど。

  • 100キロ≒拷問

    世の中には『100キロウォーク』なる大会があるらしい。

     

    それは文字通り100キロ歩くという、
    とんでもない行事なのだとか。
    「いきなり100キロって言われてもいまいちピンとこないよ」
    っていう人は、東京からだいたい熱海までの距離を歩くと考えてみればいい。
    ふつう、東京から熱海まで行くときは電車か車を使う。
    それを考えると、
    いかにこの大会が厳しいものであるかがわかるだろう。

     

    こんな大会、参加する人なんていないのでは?
    そう思っていたが、実はけっこう人気があり、
    先日行われたとある大会には、
    なんと300人以上がエントリーしたそうな。
    その人たちに言いたい。
    失礼ですがバ○なんじゃなかろうか。
    なぜ自ら進んで苦行に身を投じるのだろう。
    あれか、修行者か。
    その道を極めんとする求道者か。

     

    僕だったら、こんなわけのわからない大会絶対参加しない。
    参加するわけがない。
    だって、

     

    スタートしたときはみんなハイテンションなのに

     

    10キロを超えると急に会話が減ってきて

     

    20キロ地点で完全に無口になり

     

    30キロを通過する頃にはもう足を曲げることすらできず

     

    40キロ地点でついに痛め止めを飲まなきゃ進めなくなる

     

    50キロを折り返したときに

     

    「あと半分だ」と「まだ半分あるのか」という気持ちがせめぎ合い

     

    60キロ地点で参加者の半数以上がリタイアしているのを知って愕然とし

     

    70キロ地点で本気でリタイアを考え始める

     

    80キロ地点に着く頃には左足を引きずらなきゃ歩けなくなり

     

    「もうここまで歩いたからいいや」

     

    「80キロだって立派さ」

     

    「よく頑張ったよ、もういいじゃないか」

     

    って諦めようとしたら

     

    すれちがう人たちみんなから「頑張れ!」って励まされて

     

    その人たちも本当に、本当に苦しそうで

     

    それなのに僕のことを励ましてくれているんだって思ったら

     

    なぜかまた歩けるような気がしてきて

     

    いつのまにか休憩所をあとにしてた

     

    90キロ地点に到達したときには両足が完全に棒のようになっていて

     

    一歩を踏み出すたびに顔をゆがめたりしてたけど

     

    ここまで来たら諦めるわけにはいかない!

     

    って気をひきしめなおすんだ

     

    でも

     

    残り5キロ地点でまたリタイアを本気で考え出して

     

    残り4キロ地点で誰か代わってくれと切に願ってみたりして

     

    残り3キロ地点からは地面を見つめることしかできず

     

    残り2キロ地点で1キロの遠さに改めて絶望したけど

     

    残り1キロを切ったらあとは進むことしか考えてなかった

     

    そのうちゴールが見えてきて

     

    声援がかすかに聞こえてきて

     

    あともう少しだって最後の気力を振り絞って

     

    ゴール手前にいる友達の姿を見たら

     

    不覚にも涙が出てきて

     

    そいつらとタッチしながら

     

    ゴールする
    それで、

     

    「つらかったけど歩いて本当によかった!」

     

    って思うわけですよ。
    そんな体験したいと思いますか?
    まあ、したいなんていう人、いませんよね。
    ちなみに僕は

     

    二度とやらねえです!!