雪に興味がなくなる日

雪が好きですか?

 

と質問されて心の底から「YES」と答える人って
どのくらいいるのでしょうか。
僕の勝手な想像ですが、おそらく、
半分もいないんじゃないかと思います。

 

子どもの頃は雪が好きだった。
けれど、いつの間にかそこまで興味がなくなってしまった。
そんな人、けっこういるのでは。

 

雪国生まれということも関係しているかもですが、
僕も子どもの頃は雪が大好きでした。
冬になると「はやく雪が降らないかな」とワクワクしていたし、
いざ降り積もったときには友達と一緒に外で遊びまくったものです。

 

でも、いつの間にか雪にあまりワクワクしなくなった。
むしろ、少しうざったく感じるようになっていました。
具体的にいつからかは覚えていません。
ある時を境に気持ちが変化したのです。

 

いったい、いつ頃から雪への興味が薄れてしまうのか?
この疑問を解決するために、数年前から
僕は地元にいるイトコを観察していました。

 

イトコは今年小学6年生になる男の子。
好きなものはゲーム、ゲーム、そしてゲームです。
今では現代っ子の鏡みたいな存在のイトコですが、
昔は外でばかり遊んでいた活発ボーイでした。
夏になると、外がどんなに暑くても大人(僕)をひっぱり出し、
炎天下のなか延々とサッカーをやっていたりしました。
冬になって雪が積もれば大人(僕)をひっぱり出し、
雪遊びなどに興じていました。

 

この子は、もう一生雪が好きなのかもしれない。
雪を見てはしゃぐイトコを見ていると、
そんな気がしてなりませんでした。

 

しかし、その予感は外れることになります。

 

今年の年始に、父方の里でイトコに会いました。
2016年の暮れから暖かい日が続いていて、
あいにく雪はまったく降っていませんでした。
僕はなんとなくイトコに
「雪降ってなくてつまらんね」と話しかけました。
すると、イトコはスマホから目を離さずにこうつぶやいたのです。

 

「ぜんぜん。雪降ってもジャマなだけやもん」

 

一瞬耳を疑いましたが、イトコはあきらかにそう言ったのです。
僕は「そうか」と曖昧な返事をしながら
ついにこの時が来たか…!と思いました。
たまたま、この時はゲームに熱中していて、
他のことがどうでもよかっただけかもしれません。
けれど、イトコが少しずつ大人に
近づいていっているのを実感せずにはいられませんでした。

 

来年の冬、同じ質問をしたらイトコはどう答えるのでしょう。
いくらなんでも雪に対して冷めるの早すぎだと思うんで、
せめてあと数年は雪が好きでいてほしいものです。