宝くじ

先日、サマージャンボ宝くじを買いに行ったら、
売り場の前に予想以上に長い行列ができていて驚いた。
1番から10番くらいまである売り場すべてに、ずらりと人、人、人である。
その光景に、軽い気持ちで買いに来た僕はえもいわれぬプレッシャーを感じた。
宝くじって、サッと来てササッと買えるもんじゃないんですね…。

 

さて、大人気の宝くじ売り場だが、
中でも1番売り場の列が飛びぬけて長かった。
近くにいた警備員の人が叫んでいる。

 

「1番売り場の待ち時間は1時間です!」

 

1時間!
それはいくらなんでも人気すぎだろう。
そうこう言っている間にも、1番売り場には人がどんどん並んでいく。

 

他の売り場だとそんなにかからずに買えるのに、
わざわざ列の長い1番売り場に並ぶ理由。
それは、1等が当たるためのゲン担ぎだそうな(一緒に買いに行った人いわく)。
なるほどな、とは思う。
けれど、じゃあ自分も1番売り場に並ぼう!…とはいかないかなあ。

 

ぶっちゃけ、どこの売り場でも同じなんじゃあないか、と思うのだ。
宝くじはランダムに売られる、そのうえ、当選番号もランダムである。
1番売り場に優先的に当たりそうなくじが配置されているとは考えにくい。
単純にたくさんの人が買うから分母が増えて、
当選率が上がっているだけなんじゃないか。

 

いや、しかし。

 

もし僕が本気で億万長者を狙いにいくのなら、
微かでも当たる可能性が上げたいと考えているのなら、
やっぱり1番売り場に並んだかもしれない。
空いている列を選んでしまった僕と、
1番売り場に並んでいる猛者たちのちがい。
それは、情熱だ。
本気でお金持ちを夢見る情熱が、彼らを動かしているんだろう。

 

ここでふと思った。
当選を本気で狙いにいっている人たちは、
ある意味金メダルを狙うスポーツ選手みたいなもんじゃないか。
1番売り場に並ぶことは、つまり、スポーツ選手でいうトレーニングみたいなものなんだろう。
自分にできる最大限の努力をする。労力を惜しみなくつぎ込む。
その先に求める結果が待っているのだ。

 

そういえば、少し前に見た
ジャングル〇帝スクラッチの広告のキャッチコピーは、

 

「当たったら吠えちゃいそう。」

 

だった。
ほら、金メダルをとった選手はガッツポーズと共に吠えてるじゃない。
宝くじはオリンピックに似てる説、あながち間違いじゃないかもしれませんよ。