第99の皿 ほどよい脂で、中華風豚の角煮

「月(にくづき)」に「旨い」と書いて、「脂(あぶら)」。
肉のおいしさを、文字から保証しているのが素晴らしいではないか。
豚ならバラ肉、牛ならカルビ、鶏なら、もも肉。
脂をメインで味わう料理なら、豚の角煮がいちばんであろう。

 

豚の脂は、オレイン酸やステアリン酸が豊富で、
悪玉コレステロールを減らし善玉コレステロールを増やすなど、
なかなかの栄養を含んでいるらしい。
とは言え、カロリーも高いので、さすがに摂り過ぎは避けたいもの。

 

そこで、余分な脂を落として、ほどよい量を食べよう、
というのが今回の調理のテーマ。
よく見るレシピは、下ゆでして脂を抜くものだが、
脂が溶け出した汁を排水管に流すことに、どうも抵抗がある。

 

このため、下ゆでせずに焼くことで、脂を落とすことにしている。
フライパンで表面を焼き固めると、透明な脂が染み出す。
この脂をペーパーに吸わせてゴミとして捨てれば、
排水管と、その先にある海も汚さずに済むわけだ。

 

中華風豚の角煮

 

豚バラ肉 500〜700g(適当な大きさにカット)

 

水 500cc
鶏ガラスープの素 大さじ2
八角 2個
しょうゆ 大さじ5
甜麺醤 大さじ1
オイスターソース 大さじ1
酒 大さじ5
黒糖or三温糖 大さじ4
はちみつ 大さじ1
おろししょうが 小さじ1
五香粉 少々

 

1. 豚肉をフライパン(油は不要)に入れ、脂身の面から6面すべてに焼き色を付ける。

2. 水と調味料を入れた圧力鍋に1を入れ、「豚の角煮」の調理法に従ってセットする。

3. 圧が抜けたら内なべを取り出して冷まし、保存容器に汁ごと移し、冷蔵庫に入れる。

 

 

冷蔵庫に入れた角煮は、汁の表面に脂が浮いて固まるので、
簡単に取り除くことができる。
2段階の脂落としで、肉と脂のバランスがちょうどよくなる。
角煮丼はもちろん、汁も活用できる角煮ラーメンもおすすめだ。