第91の皿 若葉に伝えたい、ヤングコーンとししとうの青椒肉絲

「第90の皿」で”炊事研究家”なる不審な肩書きを名乗る経緯を書いたが、
よく考えてみたら、コピーライター(CW)も、かなりファンタジーな肩書きである。
仕事をする上で「一級コピー技能士」などという国家資格や免許が要らないから、
こうして何とかこの稼業を続けられていると言える。

逆に考えれば、経験ゼロの人間でも、CWを名乗ることができる。
資格や免許がなくても商売ができるから、いわゆる「モグリ」は存在しない。
定期的に仕事をいただけて、その対価で生活できているかどうかで、
プロかノンプロかに分かれるだけである。

幸いにもプロとして、継続的に仕事に関われる環境に身を置けたら、
さまざまな案件に携わる機会を増やすことで、
実績を少しずつでも積み上げていきたい。
世に出る広告のほんの一部でも「ここは自分が書いた!」という爪痕を残すのだ。

新たに舞い込んでくる仕事は、常に予測不能。
この稼業を何十年やっていても「このケースは初めて」という案件が多いので、
さまざまな業種に触れることで、引き出しを増やしておきたい。
いつだって「急ぎ」なので、とっさにアイデアを出す瞬発力勝負になるからだ。

 
ヤングコーンとししとうの青椒肉絲(チンジャオロース)

豚肩ロース肉(しょうが焼き用) 200g(細切り)
ヤングコーン(生 or 水煮) 10本(2つ割)※生なら軽くゆでる
ししとう(種は除く) 10本(2つ割)
しいたけ 1パック(細切り)

オリーブオイル 少々
おろししょうが 少々
しょうゆ 大さじ1(肉にまぶす)+小さじ1
片栗粉 大さじ1(肉にまぶす)
オイスターソース 小さじ1
砂糖 小さじ1
酒 大さじ2
鶏ガラスープの素(顆粒) 小さじ1(酒で溶く)
塩 少々
白こしょう 少々

 1. 細切りにした豚肉にしょうゆと片栗粉をまぶし、しばらく漬け込む。
 2. 野菜を刻んで炒め、取り出しておく。
 3. 1を炒め、余分な油を拭き取ったら、2を戻して調味する。
 

スーパーに行ったら、生のヤングコーンが売られていて、
特に用途も考えずにカゴに入れていた。
家に帰る道々に、ししとう、豚肉の買い置きを思い出して、
「これで青椒肉絲を作ろう」というアイデアに結び付いた。

ヤングコーンはたけのこに、ししとうはピーマンに置き換えられる。
蓄積された調理経験を活かし、とっさのひらめきで乗り切った例である。
10本に1本くらいの割合で、すごく辛いものがある爆弾素材・ししとうを使ったことで、
本家の青椒肉絲にはない、ちょっとしたスリルも味わえる一皿になった。


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