第73の皿 かりそめのカリスマ汁

「カリスマ」が、街に溢れかえっている。
ブロガー、美容師、シェフに主婦。
バイヤー、講師、店員やモデル・・・。
さまざまなジャンルに、数多のカリスマが存在する。

 

いまやカリスマは、本来の意味合いを斜め下に飛び出して、
「その業界でちょっとした人気者」なことを表す程度の、
ずいぶんお手軽な言葉になってしまった。

 

この風潮、何かに似ていると思ったら、「イケメン」が同じだった。
そのジャンルに現れたちょっと見た目のよい青年を、
すべて「イケメン」の一言で片付けるそれである。
前述の職種や身分の枕詞としても、だいたい当てはまる点も同じだ。

 

また、「カリスマ●●」とは呼びにくい職業の人だと、
「●●界のカリスマ」と呼ばれるが、
こちらにも似た構図があることを思い出した。
昭和の時代には、ボディビル界や競艇界など、
そのジャンルとしては(と言っては失礼だが)、
少しキレイな女性が現れると、
「●●界の百恵ちゃん」と呼ばれていたのである。

 

「カリスマ」「イケメン」「百恵ちゃん」・・・。
いずれにも共通する、微妙で残念な空気感。
どの言葉もすべて、そう呼ぶ側が当人のことを心底からは
“影響力がある””カッコいい””かわいい”
などと思っていないのである。

 

カリスマもイケメンも、呼ばれる側にとっては、
ちょっとした罰ゲームな気がする。
もはや「カリスマ呼ばわり」と言っていいレベルである。

 

カリフラワーのコンソメスープ

 

カリフラワー 2房
青梗菜(ちんげんさい) 1把
たまねぎ 1個
ベーコンブロック 50g
マッシュルーム 1パック

 

コンソメの素 3個
塩 少々
こしょう 少々
水 2000cc

 

  1. 適当なサイズに刻んだ、たまねぎ、ベーコン、マッシュルームを炒め、水を張った鍋に入れ、塩こしょうを振って、とろ火で1時間煮る。
  2. カリフラワーと青梗菜、コンソメの素を加え、15分煮る。

 

カリフラワーのすまし汁、略して「カリすま」。
カリスマブロガー呼ばわりすらされそうにない、
極めて安易な一品である。