第7の皿 日々精進のミネストローネ

東日本大震災で被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。

 

その青年は、日々研鑽を重ねて進化しているが、
彼の食生活は、おそろしいほど変化に乏しい。
朝食は、コーヒーショップのサンドイッチか、ハンバーガー。
昼食は、基本的に外食だが、忙しい時は朝と同じパターンになることも多い。
夕食は、コンビニの調理済みパスタがお気に入りで、
残業時はもちろんだが、早めに帰宅できた時も、それは変わらない。
ビタミン不足が懸念されるが、
その分は野菜ジュースで補っているので大丈夫、と思うんですけど・・・
と、自信がありそうでなさそうな独特の言い回しで否定する。

 

青年の姿は、昔の自分にどこか重なる。
炭水化物過多の食事でも、若い頃は代謝がいいので、
すべてをエネルギー源として消費することができる。
だが、いくら食べても太りにくい幸せな時期は、
長い人生の中で、ほんのわずかな間に過ぎないのだ。今思えば。

 

やっぱり、野菜を添えてほしいと思う。
生野菜やジュースもいいが、できれば、熱を加えた野菜を。
煮物系の惣菜を買って補う手もあるが、和食が中心となるので、パン系との相性が悪い。
そこで、おすすめなのがスープである。
トマトの水煮缶を使って、ミネストローネを作るのだ。

 

ミネストローネ(簡易版)

 

たまねぎ 1個(みじん切り)
にんじん 1本(みじん切り)
セロリ 2本(みじん切り)
しめじ 1パック
にんにく 2かけ(みじん切り)

 

オリーブオイル 大さじ2
トマト水煮缶 1缶
水 800cc(トマト水煮の空き缶2杯分)
コンソメの素 2個
塩 少々
こしょう 少々

 

  1. 鍋にオリーブオイルを入れ、にんにくをとろ火で香りが出るまで炒めたら、たまねぎ、にんじん、セロリ、しめじの順に弱火で色が透き通るまで炒める。
  2. トマト缶と水、コンソメの素を入れ、まんべんなくかき混ぜてから、ふたをして火に掛け、グラッとしたらとろ火に落とし、1時間以上煮込む。
  3. 塩、こしょうで味を調える。

 

本来ならチリパウダーやハーブ類なども加えるのだが、
調味料を常備していない人に向けた簡易版とした。
ただ、あくまで私見だが、にんじんとセロリとにんにくが入ると
ミネストローネっぽさが一気に高まるので、ぜひ加えてほしい。
それ以外は、味の好みとその時の価格、刻みやすさなどを基準に、何を加えてもよい。
じゃがいもやキャベツもいいし、ベーコンやソーセージ、えびや貝などを入れてもいい。

 

具が多ければ多いほど味は深くなるが、すべての具材をしっかり炒めないと逆効果なので、
具が多い時は1食材ずつフライパンで炒めてから鍋に移し、煮込みの時間も長く取るとよい。

 

週末の1〜2時間を使って5〜6杯分をまとめて作り、鍋ごと冷蔵庫に入れておこう。
毎日1杯分ずつ温めて朝に食べてもいいし、
マカロニなどのショートパスタを入れて煮込めば、立派な晩ごはん。
また、ごはんと粉チーズを入れて煮込めば、上等なリゾットにもなる。

 

コンソメの素が入らなければ、ほぼ精進料理とは言えるほど野菜たっぷりで、
自然のエネルギーに充ち満ちたスープである。
この力でさらに精進して、よいコピーを書くのだ青年。