第57の皿 この未熟もの、アボカドのパスタ

フルーツなのに野菜売り場に置かれている、ボーダーレスな食材。
それが、アボカドである。
英単語の綴りはavocadoだが、カタカナにすると濁音の位置が混乱するのか、
「アボガド」「アボガト」「アボカト」など、非常に間違われやすい名前でもある。

 

並み居る植物食材の中で、アボカドほど品質が安定しないものは珍しい。
未熟・過熟は当たり前。
ちょうど熟れ頃のものを掴めるかどうか、
非常にギャンブル性の高い食材と言わざるをえない。

 

過熟も困るが、天然のアボカドディップと思えばいい。
問題は、未熟だった時である。
開けてしまったものはどうしようもないし、
使う目的があって買ったものだから、どうにかしてこれを活かしたい。

 

リカバリー法として考えたのは、角切りにして焼くこと。
火を通したところで完熟になるわけもないが、
「アボカド風味のじゃがいも」のような食感が生まれ、
別の用途を持った食材として復帰することができるのだ。

 

今回のレシピは、開けてみた状態によって臨機応変に作り方を変える、
アボカドのパスタである。

 

アボカドの和風ペペロンチーノ(2人前)

 

アボカド 1個
ほたて貝柱(刺身用) 1パック(1個を4分割=十字切り)
エリンギ 1パック(上下2分割して、スライス)
にんにく 1かけ(みじん切り)

 

パスタ 200g

 

オリーブオイル(加熱用) 大さじ2
梅昆布茶 小さじ1
豆乳 大さじ4(牛乳でも可)
レモン汁 小さじ1/2
パスタのゆで汁 大さじ10

 

白こしょう 少々
ゆずこしょう 小さじ1/4
オリーブオイル(生食用) 大さじ1

 

1. アボカドの皮をむいて種を取り、刻む。
a)生食でOKのやわらかさなら、ざっくり切り、
工程3のタイミングでフライパンへ。
b)生食できない未熟果だった場合は、角切りにして、
オイルを引いたフライパンに入れ、
弱火で10分ほど焼き色が付くまで炒める。

 

2. フライパンで、オリーブオイルとにんにくを香りが出るまで炒め、
エリンギを加えて火を通す。

 

3. 火を止めて、アボカド(1-aの場合)と調味料を混ぜ合わせ、軽く炒める。
パスタ投入から2〜3分経過したら、ゆで汁を加えてソースをのばす。

 

4. ゆで上がったパスタを入れ、白こしょうを振ってから弱火で和える。

 

5. パスタを皿に取り分け、ゆずこしょうを載せ、アボカド(1-bの場合)と
ほたてを散らし、オリーブオイルを振り掛ける。
お好みでしょうゆをひとたらししても。

 

要は、完熟ならクリーミーなソースとして使い、
未熟なら食材の一種として転用するのである。

 

ギャンブルは、勝ったり負けたり負けたり負けたりするものだが、
アボカド勝負に関しては、なんとか引き分けには持ち込めるようになった。