第50の皿 使命はただひとつ、トーストサンド
置き場所がないのを承知で、トースターを買った。
極めてシンプルなもので、トーストする以外の機能は一切ない。
トースターが来るまでの我が家は、
スチームオーブンレンジのトースト機能を使っていた。
だが、パンを焼くのに水を用意する必要があるなど、
準備と片づけがちょっと面倒くさい。
あくまでレンジのおまけの機能だから、
焼くまでにいくつかのボタン操作も求められる。
その点、トースターは素晴らしい。
パンを入れたら、あとは焼き時間に合わせてタイマーを回すだけ。
たったひとつのことしか出来ないが、そのことに関しては、誰にも負けない。
その姿はさながら、「自分、これしか出来ませんので」と
背中越しに語りながら作業を続ける、腕のいい職人のようだ。
トーストサンド(チーズオムレツ)
食パン 2枚
〈チーズオムレツ〉
卵 2個
粉チーズ 大さじ1
豆乳(あるいは牛乳) 大さじ2
- チーズオムレツの材料をボウルに入れ、泡立て器でよく混ぜる。
- 玉子焼きパンに油引きでオイルを薄く塗って弱火に掛け、1を注いで半熟になるまで熱する。
- 端にまとめていき、形を整える。
- トーストしたパンに挟む。お好みでケチャップなどを。
前述のスチームオーブンレンジは
「石窯焼き風スチームオーブンレンジ(グリル機能付き)」
という多機能感満載の本名があるのだが、
食材を温めることが中心で、ほとんどの機能を使いこなせていない。
レモン絞り器、おろし金、ぎんなんの殻剥き、ピーラー。
家電ではないが、使いやすい調理道具は、
シングルタスク(単機能)のものばかり。
今や多機能が当たり前となっている家電の中で、パン焼き専用のトースター。
一周回って、画期的な発明品に見えてくるのが不思議である。