第26の皿 サンボも大好き、ホットケーキ

ホットケーキと聞くと、子どもの頃に読んだ童話を思い出す。

 

両親から贈られた靴・上着・ズボン・傘を身に着け、
森に出かけた少年は、4頭の虎に喰われそうになり、
身ぐるみを1頭に1つずつ差し出すことで命乞いをする。
虎たちは戦利品を独り占めすべく仲間割れして、
巨木の周りで追いかけっこをするうちにバターになってしまい、
少年の一家がそのバターでホットケーキを焼いて食べた、という話である。

 

今考えると、虎が原料のバターというのはどうなのかと思うが、
挿絵の効果なのか、読んだ当時はとてもおいしそうに見えたものだ。

 

さて、ホットケーキ。
ヨーロッパなどでは広くパンケーキと呼ばれる。
パンとはフライパンのことなので、「フライパン焼きケーキ」ということか。
両者の呼び名に、特に定義はないようだが、
個人的には、ホットケーキは「ふっくら」であって欲しいので、
ベーキングパウダーが入った厚みのあるものをホットケーキと定義したい。
一方のパンケーキは、薄く焼いたタイプのものも多く見かけるからだ。

 

ホットケーキ(6枚分)

 

薄力粉 200g
ベーキングパウダー 小さじ2
塩 少々
砂糖 50g

 

卵 2個
牛乳 200cc

 

バター 少々
メープルシロップ 少々

 

  1. 粉とベーキングパウダー、塩、砂糖をボウルに入れてさっくり混ぜ、真ん中にくぼみを作り、卵を落として混ぜ合わせる。
  2. 牛乳を少しずつ加え、なめらかになるまでのばしたら、冷蔵庫でしばらく寝かせておく。
  3. 少量のバターを熱した小フライパンに、2の1/6の量を入れ、中火〜弱火で様子を見ながら2分焼く。表面にフツフツと小さな穴があき、焼き面にこんがりと色が付いたら裏返し、弱火で1分焼く。以後、間を置かずに1枚ずつ焼いていく。

 

2枚以上重ねた、焼きたてのケーキの上に、
四角く切ったバターを載せ、メープルシロップをたっぷりと注ぐ。
香ばしい甘い匂いをかぐうちに、一瞬、子ども時代に帰ったような気分になる。
まさにタイムトリップ系の美味である。

 

ところで、冒頭の童話には、続編があることを最近知った。

 

夕食の羊肉を焼く薪を取りに行った少年は、
連れていた双子の弟を2匹の猿に誘拐されてしまう。
傷心で森をさまよう少年は鷲と知り合い、
彼の協力を得て弟たちの奪還に成功。
鷲へのお礼に羊肉をプレゼントしたので、
少年の一家は夕食代わりにホットケーキを焼いて食べた。

 

つくづく、ホットケーキが好きな一家のようである。