第22の皿 「カフェ風」とは何か、高菜炒飯

世の中に、炒飯は2種類ある。
ひとつは、中華料理店にある正統派の炒飯。
そしてもうひとつは、「カフェ」で出されるアレンジ炒飯である。
今月はこの、カフェ風炒飯について研究してみる。

 

大ざっぱに言うと、カフェ風とは、中華料理店では出てこないタイプの炒飯だ。
まず、カフェ風炒飯は、メインの具材を中華料理では使わない食材から選ぶ。
今回は、カフェ風炒飯界ではポピュラーな「高菜」をセレクトする。

 

次に、ヘルシーであること。
カルシウム豊富なちりめんじゃこや、すった白ごまなどをたっぷりと入れたい。
味が軽くなるよう、油はオリーブオイルを使ったりしよう。
ごはんは、玄米や雑穀を使い、少ない分量でも食べ応えを追求する。
「少なめの量」というのも重要なポイントで、
カフェ風炒飯界に大盛りや特盛りといった概念はない。
それでも、どうしてもボリュームアップを図りたいなら、
にんじんやれんこんなど細かく刻んだ根菜を加えてみたりして、
いちいちヘルシーを絡めるとよい。

 

見た目も重要だ。
炒飯に不可欠な、ねぎも、長ねぎではなく小ねぎなどを使って緑を濃く。
さらに、大葉を刻んで散らせば、ビジュアルは中華からかなり遠くなる。
食器も、なるとの渦のような八卦模様が描かれた、八角形で足付きのチャーハン皿は避ける。
盛り付けも、きれいなお碗型にしたりはしない。
平たい皿や深めのボウルやカレー皿にざっくりと盛って、レンゲでなく木製のスプーンを添える。
これを生成りのランチョンマットなどに置けば、そこはかとなくカフェ臭が漂うはずだ。

 

カフェ風高菜炒飯(2皿分)

 

ごはん 1合
雑穀 大さじ1

 

高菜漬け 大さじ3程度(刻む)
ちりめんじゃこ 大さじ2
にんじん 少々(刻む)
れんこん 少々(刻む)

 

小ねぎ 2〜3本(小口切り)
しめじ or まいたけ 少々(みじん切り)
大葉 5枚(細切り)
卵 2個(溶いておく)

 

オリーブオイル 少々
白ごま 大さじ3
酒 大さじ1
鶏ガラスープの素 小さじ1(酒で溶く)
黒こしょう 少々
ごま油 少々(香り付け程度にひと回し)
白すりごま 少々

 

  1. 刻んだ高菜漬けとにんじん、れんこん、白ごまを少量のオリーブオイルで炒め、香りが出たら小ねぎとちりめんじゃこ、きのこを軽く炒め、フライパンの端に寄せておく。
  2. オリーブオイルを熱して溶き卵を入れ、半熟くらいになったら、ごはんを入れて混ぜ合わせ、1と混ぜ合わせる。
  3. 酒と鶏ガラスープを加え、味を見ながらこしょうを加え、ごま油をごく少量回し入れる。
  4. 皿に盛り、白すりごまと大葉を載せる。

 

高菜漬けにすでに塩気があるので、塩は入れない。
食べ進めていくうちに塩分を感じるようになるので、味見で物足りなく感じるくらいでちょうどよい。
しょうゆも、塩分が強くなりすぎるので入れないこと。

 

カフェ風炒飯のメイン具材は、たらこや明太子、梅、鮭などでもおいしい。
これ、気が付けば、おにぎりの具材と同じ。
ごはんによく合うはずである。