第12の皿 冷やして食べる夏おでん

今年の夏も、暑かった。
毎年毎年、同じことを言っている気がするが、実際に暑いのだから仕方がない。
暑いのならば少しくらい食欲がなくなってもよさそうなものだが、
その辺はあまり変わらないから困りものだ。
だが、さすがに熱いものはあまり食べたくならない。
そう、冬においしい鍋物のようなものは。

 

以前なら、部屋をクーラーでガンガン冷やして食べる鍋というのも一興だったが、
厳しい電力事情の折、そんな贅沢をするわけにもいくまい。
ならば、冷たいままでもいける鍋を作ろうではないか、というのが今回のテーマ。
そこで、私が考えたのは、冷やしおでんである。

 

おでん鍋にはあまり見かけない夏の具材と、
冷えたままでもよさそうな具材を選んだ。
多めに作って、残りは冷蔵庫に入れる。
再び食べる際に、温め直しをしなくてよいのも、なんかエコである。

 

夏おでん(4皿分)

 

〈A〉
とうもろこし 1本(4分割)
冬瓜 1/8個(ひと口大に)
結びしらたき 4個
こんにゃく 1枚(下ゆでして、半分の薄さに切って2分割→対角線に切る)
木綿豆腐 1丁(水切りしておく)

 

〈B〉
完熟トマト 4個(熱湯に10秒浸けて湯むきする)
ミニトマト 1パック
おくら 4本
グリーンアスパラ 4本(2分割)(下半分はピーラーで皮をむく)
ゆで卵 4個
はんぺん 1枚(2本の対角線に切って4分割)

 

〈だし〉
白だし 大さじ6
みりん 大さじ3
酒 大さじ3
塩 少々
水 1500cc

 

ゆずこしょうor粒マスタード お好みで

 

  1. だしを張った鍋に〈A〉を入れ、ふたをして中火~煮立ったらとろ火にして20分ゆでる。
  2. 〈B〉を加え、軽く煮る。
  3. 火を止めて常温になるまでそのまま置き、冷蔵庫に入れる。
  4. 十分に冷やしたら、冷蔵庫から取り出して器に盛り、ゆずこしょうか粒マスタードを添える。

 

昨今は、熱いおでんにもトマトを使うお店があるようだが、
だしが染みて、なおかつよく冷えたトマトもまた、絶品である。
そんなトマトの赤と、とうもろこしの黄色、おくらとアスパラの緑と、
おでんらしからぬ夏色なひと皿が出来上がった。
薬味として、ゆずこしょうか粒マスタードを添えれば、食欲もさらにアップ。
冷えた酒が止まらなくなる味である。