略す日々

その2つのニュースが同じ日に飛び込んできたのは偶然でしょうか。
5月のとある土曜日、寝ぼけながらチェックしていたYahoo!ニュースで、
薬物に「SAY YES」と言ってしまった大物アーティストの逮捕を知り、
はっきりと目が覚め、いや覚醒しました。
その後、出かけようとしていた電車の中で見ていたTwitterで、
大物外タレが「I’m Down」して、
その日の国立競技場でのライブが中止になったことを知りました。

 

もちろん前者は犯罪で、後者は体調不良という、まったく違う内容のニュースですが、
特にわたしのような一定以上の年齢の人には、感慨にふけりたくなる2つの報道でした。
知り合いにはCHAGE and ASKA(職業柄、表記には厳しいので、ググりました。
現在のアーティスト名の正しい表記はこのようです)の
ファンクラブに入っているような熱烈なファンもいれば、
ポール・マッカートニーの武道館公演8万円!
(最高値の10万円ではないところが、中途半端ですが)の
チケットを持っていた人もいます。
そういう世代です。

 

わたしは今回の連日の報道で、
彼らの表記が“チャゲ&飛鳥”だった頃の曲が無性に聴きたくなり、
しばらくYou Tubeを徘徊しました。
そしてそれだけでは飽き足らず、カラオケにも行き、
人に歌わせたり、自分でも歌ってみたり。
適当に選曲しても意外と知っているもので、記憶の隙間にあった曲を思い出しては、
改めて一時代を築いたアーティストは違う、と感心したりも。
もちろん関連の音楽商品は発売中止、あり得ないことですが、もし普通に売っていたなら、
その宣伝効果はいかばかりか、とも思います。

 

そして今回の報道でまた1つ、いらぬ知識が増えました。
“アンナカ”です。安息香酸ナトリウムカフェインの略称というこのコトバ、
妙に座りがいいと思いませんか、発音したくなるというか。
少し前に『声に出して読みたい日本語』という、
日本語の名文や名文句を暗唱することを薦める本が話題になったことがありました。
誰しも発音したい欲求というのがあると思います。
飛鳥容疑者も多分口にしたかっただけなんじゃないでしょうか。
「アンナカをくれ」と。言いたかっただけ。
こんな言いやすい名前じゃなかったら、ハマることもなく、
その後のもっとヤバい薬物に手を出すこともなかったんじゃないでしょうか。
まったく根拠はありませんが。

 

アンナカが流行ってはまずいですが、
耳なじみのいい略称、というのは流行ものに必要な要素です。
木村拓哉をキムタク、ブラッド・ピットをブラピ、ももいろクローバーZをももクロ、
タイガー&バニーをタイバニ…、いくらでもあります。
日本語は音節が細かいから略しやすく、
有名人に限らず、誰の身近にも略称で呼ばれている人がいるはずです。
環八、花金、サマソニ、吉牛、ポケモン、パワポ、午後ティー、鮫肌、スマホ、セクハラ、アナ雪
(違うのもあります)…。
口に出したくなってきませんか。
何より当の本人からして、“チャゲアス”なんですから。

 

今回も、CHAGE and ANNAKAもとい、
CHAGE and ASKAしばりでカラオケに行く人を募集しています。