正月の日々

また新しい年が始まってしまいました。
2017年、平成29年、酉年です。
新年早々、ちょっとした書類に日付を記入する時に既に間違ってしまいました。
みなさんも、気をつけてください。
ちなみに昭和だと92年、大正だと106年、明治だと150年だそうです。

 

ここまで昨年1月とまったく同じ書き出しです。
年号などを変えただけです。もう何もかも面倒になってしまいました。
そんな体たらくな年の初めです。
しかし平成も29年を迎えるとは。平成生まれも29歳になるとは。
わたしは自分のことを間違いなく昭和の人間だと思っていますが、
算数的に考えると、昭和より平成の方を長く生きてしまっています。
この正月休みにだらだらと見ていたテレビに、
昭和の歌謡曲を振り返る的な非常に好みの番組があったのですが、
画面に映し出されるデジタルリマスターされた
美空ひばりの最後のコンサートシーンを見て、この時の美空ひばりと
今の自分の年齢が近いことにあらためて悄然としました。
なんという風格、なんという歌唱力。
しかしこのコンサートからほどなくして、彼女は亡くなります。
新年早々、辛気くさい話ですいませんが、
「門松は冥土の旅の一里塚」、とも言います。
わたしもあと何度正月を迎えられるかわかりません。
まあそれはともかく、こういう圧倒的な才能みたいなものを持った芸能人が
平成の世にも現れないかな、と思います。

 

昭和だの平成だの、元号とか年号とかを改めて考えてしまう年の始めですが、
この1月2日、わたしたち夫婦は思うところあって、皇居に出向きました。
そうです、生まれて初めて一般参賀に参加したのです。
近くで働いていながら修学旅行でしか行ったことのなかった二重橋の奥に
何十年かぶりに足を踏み入れたのです。
そんな心境になるなんて我ながら年をとったなあと思いますが、
自分自身の鍵を開けて、
背骨のようなものを確かめたい気持ちになったのです。
皇居前広場には本当に大勢の人が集まっていました。
ボランティアの方に渡された日章旗を手に、
念入りなセキュリティチェックの後
(ちなみにペットボトルは没収されますので気をつけてください)、
二重橋を渡り、列を成して進みます。
この日、お出ましになるのは5回ということで、
わたしたちは4回目の午後1時半からという時間に間に合いました。
テレビで何度も見たことのあるあの場所(長和殿と言うそうです)を
目にした時は、
おおっ、という気になりました。
それから1時間あまりを立ったまま静かに待ち、陛下をはじめ、
皇族のみなさまがお出ましになった時には、
何とも言えない気持ちになりました。
ふさわしい言葉かどうかわかりませんが、感動しました。
お言葉を聞き、お顔を拝見できた時間は
わずか5分足らずではありましたが、貴重な体験だったと思います。
また列を成して、わたしたちは乾門から退出し、北の丸公園を通って、
九段の方に向かい、帰路につきました。
退位の問題などもあり、そういう心持ちになった人が多かったのでしょうか、
今年の一般参賀の参加者は9万6700人、
平成で2番目に多い人数だったそうです。

 

そして一般参賀の翌週、
政府が平成31年の1月1日から元号を新しくする検討に入ったという報道がありました。
いよいよ平成も終わるのでしょうか。
わたしも昭和、平成、そして新元号を生きることになるのでしょうか。
一般参賀に出向いてよかった、と思いました。

 

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。