イケメンの日々

「暦の上ではディセンバー」が流行ったのが1年以上前なんて、
嘘でしょう。
「ごめんね青春!」さえも終わってしまうなんて、嘘でしょう。
もう本当に12月なんて、嘘でしょう。
激しい運動なんてしていない、ただ寝て起きただけなのに、
からだじゅうが痛いなんて、嘘でしょう。
昨日、サイフに3万入ってたのに、
もう千円札しか残ってないなんて、嘘でしょう。

 

そして世間の妙齢の女性たちは、
西島秀俊に続いて、向井理まで結婚を発表するなんて、嘘でしょう。
と、叫んだのでしょうか。この年の瀬に。
偶然でしょうが、ふたりとも最近露出度が高くよくCMで見かけました。
方や、
専業主夫として洗剤や家電を使っていたり、
コンビニのスイーツを勧めていたり、
小さな子どもをそそのかしてインスタントラーメンを食べたがっていたり。
方や、吹き出物などないすっきりとした顔を洗顔料で洗っていたり、
「やってみ!」と上から目線でレシピを披露していたかと思えば、
やさしく後輩社員に風邪薬を渡していたり。
あらゆるシーンで、アップになって私たちに何かを問いかけています。
サブリミナルです。
私たちの潜在意識の中に、イケメンとしてどんどん刷り込まれていったのです。

 

そしてそんなタイミングでの結婚発表。
グラスの水が表面張力であふれ出すように、
「あー、イケメンが立て続けに結婚してしまった。
一般人の彼女も、国仲涼子もうらやまし過ぎる。あー」
という声が普段より大きくあふれ出てしまったのでしょう。

 

しかし、心から彼らの結婚を嘆いているという、
真のファンは少なくとも私のまわりでは見かけませんでした。
そう、西島・向井は
「クラスで誰が好き?」と告白し合う修学旅行の夜、
どうしてもクラスにタイプの異性がいなくて、
でも順番が回ってきた時の無難回答、最大公約数的イケメンです。
本当は荒川良々やバナナマン日村が好きなのに。
こんな事を言ったら、
ヘンな人だと思われてしまうんじゃないかしら対策のためのイケメンです。
そしてヘンな人だと思われてもかまわない、
何ならちょっとそう思われたいタイプ用のイケメンが星野源です。
どうでもいいですね。

 

師走です。
もうこの際だから、福山雅治とか、竹野内豊とか、加瀬亮とか
そこら辺の大物独身たちも全部結婚してしまえばいのに、総選挙だし。
何の関係もないですが。
昭和のイケメン、高倉健と菅原文太も相次いで亡くなりました。
いっしょにしては何ですが、イケメンが遠くに行ってしまった年の瀬です。

 

ちなみに私が嘘でしょう、と叫んだ最近の結婚発表は玉置浩二と青田典子です。
といっても、もう4年も前のことですが。
いや、本当に月日のたつのは早いものですね。
今年もお世話になりました。
よいお年をお迎えください。