ゆづの日々

スター誕生です。
前半まったく興味のなかったソチオリンピックは、
日本の男子フィギュアに初めて金メダルをもたらした19歳の少年によって
確実に忘れられない大会になりました。
羽生結弦のショートプログラムの動画を何度再生したことでしょう。
顔が小さくて手足が長い、美しい頭身バランス。
アニメの世界から抜け出してきた、まさにフィギュアのようなスタイルです。
そして、陸上でのおぼっちゃま感と氷上でのドヤ感のギャップ。
少年から大人に変わる、本当に短いきらめきの時と、
オリンピックという4年に一度しかない大舞台がシンクロした、
奇跡のような瞬間を見ることができて、もうそれだけで茶碗3杯はいけます。
もう1年前でも1年あとでもあの輝きはなかったと思いますが、どうでしょう。
そしてさらにその後のインタビューやコメントを見聞きしていても、
非の打ちどころのない対応ばかり。
親の顔が見てみたい、でなく、親御さんにお礼を言いたいくらい。
あまりのパーフェクトさに、一周回って嫌いになりそうなほどです。
ニワカの分際で、熱くなってすいません。

 

わたしはこのオリンピックを見るまで、羽生選手の存在を全く知りませんでした。
だからこそ突然現われた王子様感が強く、とても惹かれます。
そしてこの人のことも、騒ぎになるまでまったく知りませんでした。
佐村河内守。
どこに雲隠れしているのかと思ったら、先ごろ西田敏行になって現れ、
突っ込みどころ満載の謝罪会見を行っていました。

 

この一連の騒動を脚本化するなら、
ゴーストライターと言われる、若い頃のテリー伊藤のような風貌の新垣隆氏の
スリリングな記者会見のシーンからスタートです。
聴こえるのか、聴こえないのか、実は3年前から聴こえていたとか、
そんなことはこの際関係ありません。
「佐村河内」という芸名のような本名に生まれたがために、
田中や鈴木的(田中さんや鈴木さんをdisっているわけではありません)
に生きられず、偽りの脚光を浴びることを欲した男の物語。
と、企画はここまで考えました。誰かゴーストとして脚本化してもらえないでしょうか。

 

ともあれ、新垣氏は逆襲した方がいいと思います。
まず現代音楽家としての手腕を活かし、ポップスを作曲。
「サムラゴーチに騙されて」のタイトルで原由子か高田みづえに歌ってもらいましょう。
またはいっそ開き直って、二人でユニット「佐村河内」を結成。
「品川庄司」のようにどっちかが佐村君でどっちかが河内君。
そして「どぶろっく」のように音楽ネタで
“キングオブコント”かなんかに出場してもらいましょう。
どんなフリでも、オチの部分は
♪もしかしてだけどー、もしかしてだけどー、
それってほんとは聴こえてるんじゃないのー♪で。

 

偶然ですが、彼とは同郷で同世代。
その経歴を眺めていると、どこかですれ違っていてもおかしくない気がして、
妙な同族意識を覚えます。
彼はソチオリンピックを見ていたでしょうか。
真の実力で脚光を浴びる若者たちは彼の目にどう映ったでしょうか。
そしてどなたか、さいたまスーパーアリーナで開催される
「世界フィギュア」のチケットを譲っていただけないでしょうか。