謹賀新年と臥薪嘗胆はどこか似ている気がする回

あけメェしておメェでとうございメェ〜す。

 

年賀状をくださった皆様、ありがとうございました。
来年もお待ちしております♡
来年こそは!わたしも年賀状を出すはずです!きっと!おそらく!

 

世間は異物混入事件とジバニャンにわきかえっておりますが、
どこまでのものが混入にあたるのか、なかなか難しい問題かと思います。
これほど混入報道が加熱すると、
エンゲージリングをケーキの中に入れるサプライズなんてした日には
女性に訴えられかねませんし、
女湯に忍び込むアホな主人公というよくあるシチュエーションも、
不適切な混入事件表現でけしからん!とされ掲載不可になるかもしれません。

昔、バレンタインデーで手作りするチョコには指紋がついているから
もらって手作りだったら捨てる、という男の子がいた気がしますが、
指紋混入で訴えられた女の子はまだいませんね。
よかったです。
不幸にも捨てられてしまってドロドロに溶けたチョコレートは、
チョコニャンとして溶解ウォッチ(別アニメ)で主人公として活躍してほしいです。

 

閑話休題。

 

異物混入は確かに気持ちが悪いですし、
清掃や除菌が至上命題としてもてはやされる昨今では、
「綺麗で当たり前」という意識が浸透しています。

 

日本は戦後の高度経済成長時代を経て、成熟し、そういう「清潔な国」になったのです。
そうした清潔な国の清潔な人々にとって、「異物」は許されざる悪です。
今から、埃まみれの部屋で食べろとか、そういうことには戻れないし、
汚いもので耐性をつけろとか、そういう暴論はあまり浸透していかないでしょう。

 

それでも、「異物」に対する過剰なまでの拒絶反応は、どこか寓話的でもあります。
折しも、パリの新聞社がテロ攻撃の標的にされるという凄惨な事件が起きました。
「異物」に対して私たちの生きる社会はどう反応するのか、どう反応すべきなのか、
日本とパリの事件は、似たような主題が背後に鳴っているのかもしれません。

 

さて、お正月でした。

 

実家や、旦那さんや奥さんの故郷で過ごされた人も多かったと思います。

 

わたしもお正月の過ごし方の例に漏れず、人が多く集まるところに行ったのですが、
中でも面白かったのは「えびせんべいの里」。

 

1月3日だというのに、いや1月3日だからこそでしょうか、
閉店近くの時間になっても駐車場にはガンガン車が入ってきて、
入口に人が押し寄せるほどの盛況ぶり。

 

入口を入るとすぐに
「えびせんべい」「たこせんべい」などと書かれた説明書きが目に入ります。
数十種類はあろうかというせんべいの商品が番号順に並べられ、
訪れた人は試食をしながら、自分の好きなせんべいを買っていきます。
それぞれの商品が大きなカゴに無造作に積まれており、
そこから飛ぶようになくなるせんべいの袋たち。
そして次から次へと補充される試食のせんべいたち。

 

一番多いのはやはり家族連れでした。
子供たちは「お母さん、これ食べていい」ときちんと聞いて、
お母さんから試食をつかみ取る用のトングでひとつかみしてもらった
試食せんべいをムシャムシャ食べていました。

 

ああいう場所でトングを使わないのはだいたい大人ですね☆

 

スタッフの人が「試食」と袋に書かれたせんべいを
取り出しているのを見ましたが、売っている商品とほぼ一緒で、
ひどく割れたものや形がいびつなものを試食に回しているようでした。

 

試食で消費されるせんべい < 購入されるせんべい

 

は、成り立つものなのだなぁと感心しました。

 

せんべい販売コーナーの奥には、
天井の高い広い講堂のような無料休憩所があり、
そこは無料でコーヒーが飲み放題でした。

 

そこに「えびせんべいの里」と書かれた
観光名所によくある写真スペースが設置されていて、
小学校低学年くらいの小さな女の子二人が、
姉妹かお友達だと思うのですが、写真を撮られていました。

 

そこでわたしは、目を見張りました。

 

お父さんに「ハイチーズ」と言われたその瞬間に、
少女たち二人は「笑顔」をまるでシールのように顔に貼り付けたのです。

 

・・・すごい!!!

 

思わず叫びそうになるほど、完璧な笑顔の「添付」でした。

 

それは、感情に動かされてその発露として自然とそうなる表情とは違い、
表情筋とは完全に断絶されているにもかかわらず、
女の子たちにお似合いの「笑顔」としてそこに立体的に現れました。

 

「笑顔」というスイッチを押し、
並べられた笑顔パーツの中からチョイスした、真に可愛い表情。
それが少女たちの顔に、見事なまでに持続的に、貼り付けられたのです。

 

それから二人は、写真を撮られ終わるとまた無邪気な表情に戻り、
家族の元へ子供らしく駆け寄っていきました。

 

わたしはそのスイッチングのプロ技術に驚き、
「撮られる」機会が劇的に増加した時代ならではの
子供たちの演技力を目の当たりにして、少しだけ呆然としていました。

 

女の子は何歳でも女優ですね。

 

帰り道に車の窓から見えた港の景色は美しく、
それでもどこか近づいてはいけない退廃的な禁止区域のようにも見え、
夕日が放つ輝きの強さを感じました。

 

冬の空気は冷たく澄んでいて、景色の輪郭をよりきめ細やかに見せてくれます。
平和な世界がいいなと、思いました。

 

今年、宝塚は101周年目を迎えます。
本年も、宝塚を、その中でも特にヅカオタの私を、
どうぞよろしくお願いいたしメェ〜す。