女子力の回

夏も終わってしまいました。
過ぎて行く季節を感じることは
せつないことでもあります。

 

8月31日。
壮月の最後の日に、偉大なトップスターが、宝塚を去りました。

 

雪組トップスター、壮一帆。

 

壮月生まれの豪傑なトップスターは、名前も粋ですね。
彼女は19年間、宝塚という長い航海を続けてきました。
そしてその最後に、雪組のトップスターとして、
仲間たちを抱きしめるように大きな帆を広げて、
笑顔いっぱいに卒業していきました。

 

その笑顔の、なんと晴れ晴れしく、清々しく、美しかったことか。
“決して順風満帆とは言えなかった宝塚人生。”
よく、彼女はそう評されます。
荒波の時も、いつも笑顔で屈することなく乗り越えてきた、と。

 

その通りです。そして、それ以上です。

 

壮一帆というトップスターを100周年に輩出したことは、
宝塚の偉大な精神の現れだと思います。
彼女が宝塚という海を選び、そこで倦むことなく進んできれくれたこと。
その軌跡が、海を照らす夏の太陽のようにまぶしいです。

 

そうして秋の訪れとともに、
寂しさが、岩に静かに打ち寄せる波のようにやってきました。

 

錦織選手、準優勝おめでとうございます。

 

唐突に。
錦織選手の活躍で面白かった現象と言えば、
某国営放送に「なぜ決勝戦を放映しないんだ」と
視聴者から電話が殺到したことですね。

 

「何のために視聴料を払ってると思ってるんだ!」
というわけですね。
普段、テニスをよくご覧になる方なのでしょうか?
そんな方は独占放映しているチャンネルに加入済みのはずですよね。
急遽、「みなさまの声」を真摯に受け止めた国営放送が放映権を購入し、
午後から決勝戦を放映、という形になりました。
なんだか「へぇ」という気持ちです。

 

そういう方は、盲導犬が刺されたり、
全盲の方が蹴られたりするという信じられないニュースをもし見聞きしたら、
すぐに警察に電話して
「何のために税金を払ってると思ってるんだ!こんな卑劣な行為は許されないぞ!」 と
ちゃんともの申してくれているんですよね?

 

まぁともかく、錦織選手が準優勝という快挙を成し遂げ、
世界ランクが8位確定ということで、本当にすごいなぁと。

さてさて。
突然ですが、昔、ほんの子供だった頃、
「しょうらいのゆめ」を書く欄に
わたしは何と書いたと思いますか?

 

知らないよ、ってね。

 

「おはなやさん」です。
少女の夢が「お花屋さん」や「看護婦さん」だった頃、
わたしもまた少女でした。

 

でも、「おはなやさん」と書きながら、
なんだかウソをついているなと冷静に思っていました。
ウソというより、「しょうらいのゆめ」という言葉とイコールで
結ばれる右側の答えが、その時は何も浮かんでいなかったのに、
「おはなやさん」と書いた自分が少し後ろめたかったんですね。

 

でも、「しょうらいのゆめ」を空欄にすることは、
少女には許されていなかったのです。

 

その頃のわたしはスカートも履きたくなかったし、
ピンクなどのいわゆる女の子然とした色合いが嫌いでした。

 

なのに、女の子として「しょうらいのゆめ」を
書かなければいけなかったことに、少し傷ついた気持ちでした。

 

フクザツ・・・

 

男の子になりたかったんですね〜。
女の子って比較的男の子になりたくなる時期があったり、
そういう気分になるときが多い気がするのですが、
逆に、男の子は女の子になりたかったりするのでしょうか?

 

わたしの周りには、「女の子になりたい男の子」はいませんでした。
表にださなかっただけの子も、もしかしたらいたのかもしれませんが。

 

「女子力」という言葉の反対語はあるのでしょうか。
「男子力」でしょうか?
なんだかむさ苦しい感じですね。

 

今は共働きが一般的な感覚になっていますし、
結婚するなら「女子力の高い男子」がいいのかもしれません。
家事、してくれそうだから(笑)。

 

「女子力」みたいなアクセサリー感覚のアビリティとして
家事全般が認識されていくとますます女子は大変になるのではと思うのに
こぞって女子力を高めたい女子が多いのはなぜなんだ(早口)。

 

女子力という言葉はファッションや美容や性格や自己実現みたいなことの
ぼんやりとした総体なので、なにか1つできていても、
他が疎かにされていると認めてもらえない気がします。

 

つまり、家事全般はすばらしく自分のことはすべて自分でできる。
それだけで人としてのボーナスを出してほしいくらい立派だと思いますが、
加えて「美容・ファッション」に疎いと「残念」だと言われます。

 

残念どころかそれ立派だし!?

 

いくら主張しても取り合ってもらえません。
じゃあ聞くけど、
外見も身だしなみもおしゃれで、料理も自分で作れちゃうメンズは一般的なの?

 

「追いオリーブ」のもこみち氏以外聞いたことありませんけど!?

 

だから、ひとは、減点法では幸せになれません。
加点法で評価し直すべきなのです。

 

わたしは家事全般一応できますので、
もはや100点満点だということです。

 

デスクの上が散らかっているのは、
見ようによっては整理されているので加点されますね。

 

なかなか断捨離ができないのは、
ものを大切にする心優しい性格なので加点してください。

 

よく食べるのも、
食べ物を粗末にせずゴミをださないという美点の表れなので加点対象。

 

ほーら、100点+αだ。
わたしって本当に女子力高いなぁ。