ビューティーなソング 合唱の回

いきなりですが、みんな校歌は歌えますか。今でも。
もちろん歌えますよねー。どんだけ練習させられたかって。

 

白亜かがやく 山の上
つどう ひとみも 晴れやかに
きたえ みがいた 意志強く
あすの 日本を 担います
たのしい ●●小学校

 

はい、これ小学校の時の校歌(3番)ね。
日本を担う小学校だったんですねー。
スケールでかいよね!

 

天空はるか 風清く
光みなぎる 丘の上
ここ武蔵野の 中央に
はつらつ集う 明朗の
若人我ら 眉挙げて
平和の道を いざ進まん
●中 ●中 われらが母校

 

はい、これ中学校(1番)。
とたんに男クサイ感じになりました。
言葉も「若人」とか「いざ進まん!」とか、かなり暑苦しい。
眉、太そうだよね!
走れ夕日に向かって!飛ばせさわやかな汗!いつも半袖!そう青春!
ふう。羅列しただけで息があがるわ。
mixiだtwitterだfacebookだっていうのが当たり前の今、
この歌詞に共感できる中学生はいるのだろうか。
かと言って

 

はつらつ招待 コミュニティ
若人我ら オフ会で
平和の道を リツイートw

 

とか変えてみたところで、まったく共感できないけどね!

 

校歌1行目にご注目~!
天空「はるか」!イェイ!

 

露もゆたけき むさし野の
草も皆がら はゆるまで
質素をむねと むらさきの
花の香高く われ咲かむ

 

はい、うってかわってこれ高校の校歌(1番)。
なんて奥ゆかしい歌詞なのだろう!!!
「花の香」だよ!「質素」だよ!
校風があらわれますよねー。集まる生徒の人柄もねー。
いやいやそれほどでもー。
伝統のある女子高だったもんで。

 

わたし、合唱とか好きでした。
いくら大声だしても怒られないっていうね。
ソプラノだったけど、あまり上手くはなかったなあ。
腹式呼吸はできたから声はデカかったです、ハイ。

 

中学の時に、アッピーというあだ名のディーヴァがいたんですね、
アッピーはソプラノで、声も高いのにしっかりしてて、
オペラ歌手みたいに美しい高音のまま
ウワワアアンっていうビブラートをきかせられるという。
わたしの声がスルっとしたそうめんだとしたら、
アッピーの声は超一級品のツヤッツヤのうどん!
コシがあってなめらかで強くて光ってる!
その当時はオペラに対する知識も特になかったけれど、
アッピーがうまいのは横で聴いていて、それくらい肌で感じた。
彼女は輝いていたなあ、合唱のとき。

合唱は、え、あの人実はうまいじゃん!とか、
意外な発見があるおもしろいステージだったわけで。

 

いつもは先生を茶化したりしてふざけてる男子が
低音がすごく響くから、気の進まないまま合唱団に選抜されたりね。
ちょっと不良みたいな女子が、アルトでいい声で歌ってたり。
好き好きーそういう展開~。

 

そうそう、NHKの全国音楽コンクール見たことありますか?
あれねーすごいんですよみんな。

 

顔が!
いや変な意味じゃなくてね。
合唱部の独特の、目の見開き具合、口の開け方、動き、恍惚の表情。
もう、ゆれるゆれる。ぐわんぐわんゆれる。
歌は喉だけじゃどうにもならない、
深くて美しい声をだすために、全身を使う!
そして、合唱部員の笑顔は真剣すぎてたまに怖い!
さすが全国区!目が離せない生徒ばっかりだぜ!
でも、みんな鳥肌立つくらいうまいのね!

 

自分がその時代歌ったなかで思い出深いのは、
定番ですがやっぱり「大地讃頌」かなー。
三送会(三年生を送る会)とかだったりして、歌う時が。
クライマックスの、

 

母なる大地を アー
讃えよ大地を アー

 

とかグッときました。気持ちが盛り上がってくのが好きでした。
あと、谷川俊太郎作詞の「魂のいちばんおいしいところ」。
出だしがアカペラですごくきれいな曲!

 

かみさまが だいちと みずと たいようをくれた

 

歌詞がほかの合唱曲と違って、詩的でした。そりゃあたりまえか。
ぜひ聴いてみてください。
それはとても簡素な言葉で書かれていて、
そのまま歌っても、ピンとこない。

 

そうして あなたは 自分でも気づかずに
たましいの いちばん おいしいところをくれた

 

こんな透明な歌詞だから。
歌う自分の気持ちがまんま反映される。
ごまかしがきかない。
何も考えずに歌うと、ほんとに歌詞が死んじゃうんだよね。
歌詞が透きとおったままで、いかに気持ちをのせて、伝わるように歌うか。

 

当時は「気持ちをこめて」歌うことがとても難しかった。
きれいに歌うだけじゃダメで、気持ちがこめて歌えって言われてもー!?
そういえば、柿沼先生(音楽)は「歌詞をちゃんと読んで。考えて」って言ってたなあ。
先生!いま、ようやく歌詞の大切さがわかりました!
・・・遅。

 

もはや合唱とは縁遠い日々。
久しぶりに合唱曲とか探してみると、これ歌ったー!!!っていうのが
たくさんあっておもしろい。
「旅立ちの日に」とか「走る川」とか「時の旅人」とか「春に」とか「聞こえる」とか「IN TERRA PAX」とかね。

 

合唱曲はけっこう、いやかなりいい。
でも今それを聴くと、懐かしいと同時に、なんか照れる。
卒業アルバムを見ているような
Tシャツinでハイウエストの自分を見るような
こそばゆい感じっていうか、恥ずかしい感じも若干する。
でもさでもさ、そうじゃなきゃ合唱曲と言えなくない!?

 

ちょっと前の話だけど、
ある中学校で「GR」ではじまって「eeeeN」みたいな名前のグループのね、
すごくヒットした歌を卒業式で歌ったらしい。まあキセキですが。
それ、どーよ。どうですかみなさんは。

 

わたしだったら絶対×5億くらい嫌。

 

だってつまんないじゃん!流行った曲ってだけじゃん!
ハモれるの?混声合唱なめんなー!!
でもアンジェラ・アキなら許す!
「手紙~拝啓十五の君へ~」なら許す!

 

 

でもでも!卒業式は断固!「旅立ちの日に」であり、「巣立ちの歌」だーーーー!!!!
ちょっとテンションあがったので歌詞のせますね。

 

「旅立ちの日に」 1991年
白い光の中に 山並みは萌えて
はるかな空の果てまでも 君は飛び立つ
限りなく青い空に 心ふるわせ
自由をかける鳥よ 振り返ることもせず

 

勇気を翼に込めて 希望の風に乗り
この広い大空に 夢を託して
(中略)
今 別れの時 飛び立とう 未来信じて
はずむ 若い力 信じて
この広い この広い 大空に

 

「巣立ちの歌」 1965年
花の色 雲の影
懐かしい あの想い出

 

過ぎし日の 窓に残して
巣立ちゆく 今日の別れ

 

いざさらば さらば先生
いざさらば さらば友よ

 

美しい 明日の日のため

 

いざさらば~のところでピアノがジャンジャンジャンって駆け上がる感じとかたまらん!
他にも「仰げば尊し」ありますが。個人的にはこの2つが好きだよねー。
ていばんバンザイ!定番こそ心に残る!
ずっと歌い継がれてきた歌はどれも最高さ!!
流行りのJ-POPは打ち上げのカラオケでどーぞっ!!

 

はあ~もう検索してピアノの伴奏はじまっただけで涙が・・・。

 

広くて天井が高い体育館。
だれかの咳払い。
清楚で可憐な女子のピアノ伴奏。
空気の間を満たしていく声。
指揮者はちょっと動きが単調なクラスメート。
隣には、ディーヴァのアッピー。まだガリガリだったわたし。
その頃から比べたら・・・

 

増えたよ体重 アー!!!!!!!!!
超えたよ大台 アー!!!!!!!!!

 

以上、my「大地讃頌」でした。おあとがよろしいようで。