ノガミさんの回

一気に春ですね。
新人の皆さん初めまして、ビューティーです。
美、ということですね。
よろしくお願いします。

 

この週末、宝塚100周年を祝うニュースをご覧になった方も、
多かったのではないでしょうか。

 

わたしも、聖地である宝塚大劇場に魂を送りつつ、
夢の祭典というイベントの都内でのライブビューイングに参加してきました。

 

そこに出演したのは、宝塚が誇る歴代のトップスターとトップ娘役たち。
八千草薫、寿美花代、眞帆志ぶき、初風諄、榛名由梨、鳳蘭、安奈淳、麻実れい、
一路真輝、大地真央、黒木瞳、涼風真世、真矢みき・・・etc
とんでもないレジェンドたちが名を連ねたまさに100年に一度のお祭りでした。

 

ライブビューイングなので、中継で宝塚とつながっているとはいえ、
大きな画面でDVDを観ているような感覚に教われますが、
わたし、気づいたら泣いてました。(重症ですね)

 

歌とダンスを披露した眞帆志ぶきさんは、今年80歳を迎える方です。
往年の大スターも、年をとります。
でも、彼女たちがあのホームとも言える大劇場に立ち、
劇場中を見渡すときの、あの燃える瞳と身体のパッションは、
スクリーンを突き抜けてわたしの心を射抜きました。

 

なんてかっこいいんだろうと、なんて素敵な人たちなんだろうと、
涙がとまりませんでした。

 

長くなりましたが、おいでませ、タカラヅカの世界。

 

さて4月、春、別れと出会いの季節です。
今日は卒業式の思い出を少しばかり。

 

小学校の卒業式で、
普段めったに履かないスカートを履かせられて、
とても嫌だった記憶があります。

 

私の通っていた小学校に、
頭がよい、スポーツもできる、面白い、スタイルも抜群。
そんな男子的モテ要素しかない「ノガミさん」という女の子がいました。

 

その飾らないボーイッシュな雰囲気に、
クラスの男子は一目置き、
女子はみんなその子に好意を持っていました。

 

ノガミさんは、市内の中学校に進学することはせず、
私立中学への受験を考えていました。
クラスで特に仲のいい女子たちは、ノガミさんを応援しに、
家に遊びに行ったりしていました。(ただ家に行きたかっただけですけど☆)

 

小学生の友情というのは、かなり真剣です。熱いです。
「好きな子」のためなら、その子が風邪でお休みの日に、
その子の家までお見舞いに行くことだってありました。
風邪だって言ってるのに外まで出てきてもらって、
「早くよくなってね」と言うわたしったらなんて友達思いなのかしらと、
小学生ながら自己陶酔系迷惑行為をしていた自分レッドカード。

 

恥ずかしい限りです。
でもそのときは「○○のために一肌脱ぐ私」に酔っているので
どうしようもないですね。

 

そして、ノガミさん。
ノガミさんは別にそういうことをしなくても、
男子女子みんなからの絶大な支持を得ていました。
いつもは誰の言うことも聞かないような男子も、
ノガミが言うなら、いいぜ。みたいな。

 

どんだけカリスマなのノガミさん。

 

そのノガミさんは、卒業式のとき、パンツスタイルだったのです。

 

今でもはっきりと覚えています。
まるでイケメン(当時この言葉はありませんでしたが)男子高校生
のようなチェックの制服だったのです。

 

今のわたしからすれば、そう、宝塚の男役スターのような。

 

当然女子からは「ノガかっこいい〜」と黄色い声が。
そう、彼女はノガという、モガみたいなあだ名で呼ばれていました。

 

今でこそノガというあだ名でいいのかという気がしますが、
あの頃はノガという言葉の響きさえもかっこよく感じられたものです。

 

わたしの小学校は私服だったので、
卒業式も服装は基本的に自由でした。

 

もちろんわたしも望めばパンツスタイルで参列できたはずですが、
母親が引っ張りだしてきた丈の長いワンピースを有無を言わさず着させられ、
イケメンなノガを横目に、慣れないスカートに顔を真っ赤にしていました。
足を、春の少しつめたい風がすーすーとおりぬけていったことを覚えています。

 

その後、中学校が分かれてしまったノガミさんとは、
音信が途絶えてしまったので、彼女が今どこでどうしているかは、
わかりません。

 

卒業証書の筒を持って、少し緊張した笑顔で写真に写るノガ。
イケメンすぎます。

 

かっこよかったノガは、
今はどんな大人に、どんな女性になっているのでしょう。

 

もし今、会うことがあったら、その写真を肴に朝まで呑みたい気分です。

 

春ですね。
うららかな陽気が、眠っていた記憶をくすぐるのかもしれません。
記憶の日だまりは、どれも古ぼけたにおいがして、照れくさくて、恥ずかしいです。

 

みなさんの卒業式の思い出も、今度聞いてみたいものです。

 

そして、卒業と言えばこの方。
32年間、おつかれさまでした。

いいともー!