こどもの敵はどこから?

ゴルフにはあまり興味がないのですが、

つい全英オープンはWOWOWで見てしまいました。

なにかと「笑顔」が取り上げられる彼女ですが、

それよりなにより、世界大会で優勝する実力はすさまじいものだと思います。

あるスポーツ記者が大坂選手が全米オープンで優勝したとき、

ラジオでこんなことを言っていました。

 

「大坂選手を見ている子供達は、世界一になれるんだ、というのがスタンダードになる。スポーツ界にものすごい変化をもたらすことですよ。」

 

未来を変えつづけるのは、こどもたちなのかなと思います。

 

Netflixオリジナルドラマとして空前の大ヒットとなっている

あるドラマシリーズも、「こどもたちの物語」です。

 

わたしはホラー映画の類いが苦手で、映画館でも家でもほとんど観ません。

サスペンス映画も、あまり手を出したことがないのです。

『ジュラシック・パーク』を見るのにもちょっと気合いがいるくらいです。

『エイリアン』っぽいのかな、と漠然とした印象で見始めた、くだんのドラマ。

 

1984年、アメリカ中西部のインディアナ州、

ホーキンスという町で起きる

ある異様なできごとが描かれているフィクションですが、

とにかく、とにかく面白い!

さまざまなアメリカの映画やドラマ、音楽へのオマージュがちりばめられ、

アメリカのカルチャーが好きな人にはたまらない作品です。

各話40分〜1時間程度で1シーズン8話ほど。

ベースはホラー映画なのですが、

80年代の素晴らしい不自由さ(インターネット環境がないなど)と、

それゆえの牧歌的なチャーミングさが描かれ、なんだかうらやましく思えます。

登場人物もみんな魅力的で、最新シーズンを見終えた夜、

ベッドのなかで彼ら(登場人物たち)のことを想って、わたしはちょっと泣きました。

次のシーズンで最後だという噂もあり、

焦がれるような気持ちで次のシーズンを待っているところです。

 

人間にとっての「敵」と想定されるのは、

幽霊やゾンビ、怪物や化け物、エイリアン、地球外生命体といったものがありますよね。

そうした存在が、あるとき突然、

ふだん暮らしている世界の裂け目から、はい出してくる。

このドラマのなかでは「Upside Down(あちら側)」と呼ばれますが、

人間がうかがいしれない世界と、そこに巣食う未知のクリーチャーの姿を

これほど魅力的なイマジネーションをもって描いたドラマは、

なかなかないのではと思います。

 

こどもの頃、暗闇がこわかったです。

視線が低かったからでしょうか。

大人になった今より、暗闇を、広く、大きく感じていた気がします。

それでも不思議と、無力感はあまりなかったように記憶していますが、

みなさんはどうでしたか?

ドラマのなかでも、少年少女たちが現実に現れた怪物を

パチンコのおもちゃで倒そうとするシーンがあります。

到底そんなもので倒せるわけはないのに、

目の前で対峙した瞬間には、ゲームのなかでしていたような攻撃しかできない。

一方で、特殊な力をもつ少女も出てきます。

彼女が物語の主人公と言っても過言ではありませんが…

おっと、これ以上は見てのお楽しみということで。

 

少年少女ゆえの限界や敗北感はリアルでありながら、

彼らの友情、理想や飛躍といった、ピュアでどこか大人びた心はとてもまぶしいです。

自分が味わったはずの、でもどこかで忘れてしまった気持ちや懐かしい記憶を、

それぞれのこどもたちによって、べつの形でもう一度体験できるドラマ。

わたしは、彼らが「大人ではないこと」が、

こんなにもヒットしている要因なのではないかと思いました。

 

2010年代のいまは、ネットで検索してしまうと

検索ワードの予測機能でネタバレにあたってしまうので、

Netflix直行をおすすめします。

ぜひ。一緒にストレンジャーシングス・ロスになりましょう。